- OSASKを作る原動力
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- (3) 2008.12.18追記
- こめんと欄
OSASKを作る原動力 [1]
- 僕はなぜOSASKを作り続けているのかといえば、それは自分が使ってきた古いパソコンがいとしいからだ。最近の重いソフトが動かないという理由だけで処分するのはあまりにかわいそうだ。悪いのはハードウェアじゃなくてソフトなんだ。ソフトさえまともなら、まだまだ使えずはずなんだ。
- たとえていうなら、なんだか知らないけど、世界が徐々にやたらと習得の難しい言語を公用語にし始めたとしよう。そして世界中の多くの人々が、その言葉をうまくしゃべれないからという理由だけで、職につけず、飢え死にしているとしよう。それはおかしいと思わないだろうか。僕はおかしいと思う。彼らはそんなへんてこりんな言語を強制さえしなければ、十分にいい仕事ができるのだ。それにそのへんてこりんな言語を習得している人だって、もっと習得しやすい言語にすれば、その分学習時間が減らせて、有意義な仕事がたくさんできるのだ。
- 世間にはたくさんのCPUがある。その中で僕はなぜIA-32を選んだのか(選んだままでいるのか)。たとえば今ならx64みたいな選択だってありうるはずだ。ARMが好きならARMでもいいじゃないか。
- 僕の知り合いはCPUの勉強をしてMIPSが大好きになったといっていたが、そしてその気持ちもあの美しい設計のことを思えば大いに分かるが、しかし僕はその意見には賛同できない。どんなに設計が理想的でも、それだけでは僕にとってはなんにもならない。僕は自分の持っていないPCのためのプログラムは書く気がしない。そんなの書いて何になるだろう。MIPSは確かにいいものかもしれないが、それを搭載したPCは簡単に入手できるのか。入手困難なものを使えるようになってどうするのだ。
- むしろ逆だ。たとえば今webがそこそこ見られるくらいのPCを入手しなければいけないとして、一番安いものはなんだろう。そう、中古屋やYahoo!オークションで、中古のノートPCを買うことだ。たぶん5,000円も出せばハードウェア的には十分なスペックのものが買えるだろう。これはキーボードもディスプレイもついている。YouTubeやニコニコ動画などのストリーム系の動画を見るには少々つらいかもしれないが、そういう動画をあきらめれば、一度ローカルに保存するタイプの.aviくらいの動画ならきっと余裕で見られるだろう。MP3だって再生できるだろう。
- これくらいの性能のものをこれより安く入手する方法が果たしてあるだろうか。僕が上記のマシンスペックを想定したのは、これより上を望めば、すぐにコストが1万円とかになりかねないからである。考えてみてほしい、5,000円であれば、毎月500円貯金するだけでも一年後には買える。これなら小学生や中学生でも手が届く。つまりそれほど入手性がよい。
- 確かにGBAは中古なら3,000円程度なので非常に魅力的だが(今はもっと安くなったかもしれない)インターネットに接続するためのハードウェアがない。ソフトだけでは解決できないのだ。そしてそのハードウェアを(自作するなどして)調達しようとすれば、それは2,000円や3,000円などでは到底収まらない。
- 僕としては安定して安く入手できるのであればそれでいいのだ。それが一番重要なのだ。どんなに設計が汚くても、どんなにプログラムが書きにくくても、とにかく書く手段さえあるなら僕は書く。使いにくいなら使いやすくなるようなプログラムを書けばいいだけのこと。そのためのソフトウェアだ。ハードウェアに問題があるならその回避策を考えて問題を起こさないようなソフトウェアを書けばいいのだ。
- このような観点でPCを選ぶ限り、IA-32以外のアーキテクチャは論外になってしまう。そして(いとしの)TOWNSやNEC98やIntelMacでさえも、優先順位は下げざるを得ない。しかしこれらはIA-32のCPUなのでわずかな修正でATと同じプログラムが動くようにはできるから、その意味では開発対象からはずすことはない。無論IA-32以外でも、既に持っている人はいるのだし、その人たちにとってはもはや入手コスト0なのだから、その人のためにソフトウェアを作ることだって意味はある。ただ、優先順位がIA-32によりも低くなるのは避けられない。
- 逆に言えば、どこかのメーカが非IA-32の新しいノートPCを50億台くらい製造したものの互換性のためにさっぱり売れず、倒産して1,000円前後で投売りされるような状態が10年くらい続くのであれば、僕は即座にOSASKの路線を変更するだろう。そのCPUの設計が美しいかどうかはほとんど関係がない。上記程度のことを十分にこなせるだけの能力があるのなら、それで十分なのだ。必要な能力さえあれば、容姿が悪くても関係ないのだ。そもそもPCは情報処理をさせるための機械なのであって、設計の美しさを見せびらかすための機械ではない。OSASKの設計も美しさやなんてどうだっていいのだ。性能が出るように設計を練ったらそれなりに機能美が現れ始めたというだけでしかない。
(3) 2008.12.18追記 [7]
- (2)で言いたい放題言ったそばからこんなすごいものを見つけてしまった。
- このPCのCPUがMIPSベースの「Loongson(龍芯)」らしいので、これからはx86だけが入手性のよい安価なアーキテクチャとはいえなくなるのかもしれない。・・・とここまで書いて更に追加情報。上記PCは同メーカのNB0700のLinux版であるという説も飛び交っていて、なにやら混乱(NB0700ならVIA C7-Mなのでx86)。
Last-modified: 2009-11-21 (土) 00:00:00 (JST) (319d) by k-tan
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