* ぐいぐい01に関するメモ-18 -(by [[K]], 2008.12.30) -メモのうち重要な部分をそのうちまとめてまともなページを作る *** (33) naskで「ぐいぐい01」アプリを作る -OSASK-IRCで、なんとアセンブラで「ぐいぐい01」アプリを作ってみたいという人がいたので、その人の参考になりそうなことをメモしておきます。その人の参考にならないとしても、nikaさんやDAsoranさんやI.Tak.さんみたいな人ならきっと参考になると思います(この三人に読んで欲しいという意味ではなく、この三人くらいの人がOSASKコミュニティには時々出現してくれるから、将来のそういう人に役立てばそれでいいという意味)。 ---- -とりあえずhelloを書いてみましょう。 ; ex0000.nas [FORMAT "WCOFF"] [FILE "ex0000.nas"] [INSTRSET "i486p"] [BITS 32] GLOBAL _G01Main [SECTION .text] _G01Main: MOV EAX,msg CALL [ESI] DB 0x50, 0x30, 0x30 ; [5 0 (!6_x) 3 EAX] [3] ; 5 0 (!6_x) 3 の後に(!6_0)がある RET [SECTION .data] msg DB "hello, world", 0 -こんな感じかなあ。ESIの値はアプリ起動時に渡される値を使えば上記で問題はないです。また、EDIもアプリ起動時は0になっていることが保証されているので、これで問題ないです。APIパケットでは、わざわざEAXレジスタを使って文字列の位置を与えていますが、これはラベルの値を直接APIパケットに含める方法をまだ十分にはサポートできていないためでです(申し訳ない)。レジスタにせよなんにせよ、とにかくAPIで扱うポインタはDSもしくはSSでアクセスできる範囲になくてはいけないので、文字列はわざわざ.dataセクションにおいています。 -文字列の最後に0x0aが入っていませんが、これは入れても入れなくてもいいのです。「ぐいぐい01」では終了時に改行し忘れていると判断すれば、自動で改行してから終了しますので。 -これをmakeするためのMakefileは次の通りです。 TARGET = ex0000 MODE = g01 OBJS = ex0000.obj INCPATH = ../z_tools/guigui01/ include ../z_tools/com_mak.txt -これを使ってmakeすると、77バイトのex0000.g01と57バイトのex0000.orgができるはずです。77バイトってC版(69バイト)よりも大きいじゃないか!と思うかもしれませんが、77バイトはtek5をかけた場合の大きさで、tek5しなければ57バイトなのです。つまり、.g01のほうは無視して、.orgのほうを使いましょう(.g01を消して.orgを.g01と改名してもいいです)。 -57バイトってどういうこと!?18バイトになるんじゃなかったの?・・・ええまあそうなんですが、いきなり18バイト版を書くのはハードルが高いので、最初はこれでよしとしてください。 ---- -次はcharsをやってみましょう。 ; ex0001.nas [FORMAT "WCOFF"] [FILE "ex0001.nas"] [INSTRSET "i486p"] [BITS 32] GLOBAL _G01Main [SECTION .text] _G01Main: MOV AL,0x20 putcloop: CALL [ESI] DB 0x50, 0x51, 0x61, 0x03 ; [5 0 !5 1 AL] [3] INC AL CMP AL,0x7f JB putcloop RET -Makefileはex0000.nasとほぼ同じなので省略しますね。これをmakeすると、46バイトのex0001.orgができます。やはり14バイトには遠く及ばないのですが、しかしCで書いたらこんなものではすまないので、アセンブラの優位性はしっかりと示されています。helloよりも小さくなったのは、やっぱり.dataセクションを作らないで済んでいるからというのが大きいです。 ---- -ということで、helloも.dataセクションなしで書いてみることにします。 ; ex0002.nas [FORMAT "WCOFF"] [FILE "ex0002.nas"] [INSTRSET "i486p"] [BITS 32] GLOBAL _G01Main [SECTION .text] _G01Main: CALL [ESI] DB 0x50, 0x10, "hello, wolrd", 0, 0x30 RET -こんな風に書けば、ポインタ指定なしで直接データを置けるので、.dataセクションはいりません。 -これをmakeすると、50バイトのex0002.orgができます。7バイトの減量ですね。 ---- -もっと小さくしたいということなら(まあ普通はそこまでやる必要はなくてex0000レベルで十分なのですが・・・というか「ぐいぐい01」でありさえすればC版でも十分)、20バイト以上ある標準のC向けのスターアップルーチンを使わないようにするという選択肢があります。これはリンカも使わないということです(リンカは勝手にスタートアップを使おうとするので)。難易度は結構高いです。.text以外のセクションを使っている場合は、これはやらないほうがいいでしょう。リンカなしで.dataセクションを扱うのは至難の業です。 ; ex0003.nas [FORMAT "BIN"] [INSTRSET "i486p"] [BITS 32] [SECTION .text] DB 0x47, 0x01, 0x04 ; 簡易形式用ヘッダ _G01Main: CALL [ESI] DB 0x50, 0x10, "hello, wolrd", 0, 0x30 RET -こんな感じです。これはもうリンカとかは使わないので、Makefileなしでmakeします。 efg01 ../z_tools/nask.g01 ex0003.nas ex0003.g01 ex0003.lst -これで22バイトの.g01ができます。ついにきました。一気に「ぐいぐい01」らしいサイズです。 ---- -ここまできたらせっかくなので18バイトまで行きますかね(笑)。まず、.textの末尾のRETは省略できます。また、APIパケットは今、 [5 0 1 "hello, wolrd" 0] [3] になっているのですが、この最後の4bitの3を、1の後の「隙間の埋め用」の0のところに入れてもいい事になっています。さらに簡易形式用ヘッダの最後の4のところに1を足して5にしておけば、最初の CALL [ESI] を省略できます。 ; ex0004.nas [FORMAT "BIN"] [INSTRSET "i486p"] [BITS 32] [SECTION .text] DB 0x47, 0x01, 0x05 ; 簡易形式用ヘッダ _G01Main: DB 0x50, 0x13, "hello, wolrd", 0 -これで完成です。これをnaskするとめでたく18バイトになります。・・・こんなDBしかないプログラムであれば、バイナリエディタだけで作ったほうが早いですけどね。 * こめんと欄 #comment