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[OSASK 554] Re: 「OSASK のファイルシステム」.



  こんばんは、川合です。今夜は、イエスマン川合かも?


橋 さんは 2000/04/10 22:59:11 の「[OSASK 552] Re: 「OSASK のファ
イルシステム」.」で書きました:

>んと、遅延書き込みに関して言えば、
>電源面で言えば結構不効率な面があるかもしれません。
>状況にもよるけど、現状のOSと比較してHDDの回る時間が長くなるのでは?
>稼動部分の消費電力を考えた場合、結構割を食うところもありそうな
>気がします。

  ふむふむ、確かにそうかもしれない。しかし、遅延書き込みのおかげ
で、シーク時間が最小になるような順番に並べ替えてアクセスするとい
うテクニックが使えるようになるので、逆に短くなるかもしれない。・
・・いや、そんなことはあまり期待できないかな。

  同じ部分を何度も何度も書き換えられた場合、OSASKの遅延書き込み
のアルゴリズムとしては、最後の書き換えが済むまではメモリ内のキャ
ッシュ上で処理して、最後にディスクに書き出せばいいと考えています
(まあ、停電が起きるかもしれないから、時々は書き出すようにするけ
どね)。だから、総ライト回数は減るかもしれません。同じ部分を何度
も読み出すこともなくなります。

>実は川合堂はHDDメーカーの走狗(爆)

  っていうか、僕のように買ってきたHDDをいっぱいに使い切れないユ
ーザーにとっては、今まで無駄にしてきたものを使えるようになるから
とりあえずうれしい。特に、うちの192MBのメモリは、スキャナーを使
わないときは電気を食っていただけだったので、是非ともキャッシュと
してがんばってほしいです。

(ディスク名がないディスクへのアクセス)
>んー、そかそか。メディアIDのところでいう、disk-Aではなく、
>FDにアクセスするようなイメージになるのかな?

  いえーす。/FD/current/なのです!(仮称)。

>ここなんだけど、OS側から仮のDISK名称って発行できない?
>当然既存のものと重複しないように、それも一時的に発行されるような代物。
>キャッシュの管理をメディアIDでやるようにすれば、不可能ではないような気がするけど。
>#もちろんメディアIDはTAG情報として持たせて表には出ないようにする。

  いえーす、それもできます。そもそも、ディスク名なんていうのは、
ユーザーの便宜のためだけに存在しているので、いつでも変えられます
。わかりやすいイメージとしては、ディスク内に書かれているディスク
名は所詮デフォルトのディスク名なのであって、そのディスクをどう呼
ぶかは、いつ変更してもかまいません。ディスクに書かれたデフォルト
とは異なる名前であっても全然かまいません。・・・だってさ、ディス
ク名はほとんどシェルの管轄だもん。カーネルじゃあ、ディスク名なん
て重視してないもん。

(仮想記憶とディスクキャッシュの統合)
>むう、川合さんの為の機能であったか(笑)

  いえーす。でも、ちょっとないしょね。

>超整理法?
>#確かアレってよく使うのを(使ったのを)手前に持ってくるってのが
>#ぶっちゃけたところだったような・・・よく知らないけど。

  いえーす。これは、CPUでのキャッシュ管理の基本なのです。キャッ
シュ管理はみんなこのアルゴリズムが基本です。だから、超整理法が元
祖ではありません。

>でもまあ、メモリとディスクデバイスというものの役割がはっきりするので、
>これからプログラムするような人には、過去のしがらみがない分、
>整理しやすくていいだろうね。

  なるほど、「メモリはキャッシュ専用」と割り切るように教えるわけ
ね。今、情報処理の授業ではHDDのことを「補助記憶装置」って教えて
いるけど、OSASKが普及したら「主記憶」って教えるのかな?

(セーブ/ロードなんていう概念はなくなるのだだだだ!)
>これを表面に出すとふぁみこん世代は逆に混乱するぞぉ(笑)

  いえーす。それは分かっているのでーす。だから、恐くてwebには書
けません。・・・でも、いつか書こうっと。

>川合>  概念的に「変」であることを除けば、欠点はありません。遅くなるわ
>川合>けじゃないし、メモリの利用効率が落ちるわけでもないからです。
>そだね。こっちには欠点らしい欠点が「思いつかない」(笑)

  でしょ?(笑)

>川合>  もちろん、「メモリ」という名前のファイルを用意して、このファイ
>川合>ルを特別視し、他のファイルからこのファイルへのコピーを「ロード」
>川合>このファイルから他のファイルへのコピーを「セーブ」と呼ぶことにす
>川合>れば、従来の概念と同じになりますから、新しい概念を受け入れなくて
>川合>もプログラムを書けます(概念の互換性)。
>しばらく必要かも(笑)

  さすがの僕も、そう思っております(笑)。

---

  文の調子があまりに狂っているので、ちょっと仕切り直し。

  今回概念を統合しているわけだけど、客観的に言って、ここまでセン
セーショナルにやる必要はありません。今までの概念の延長戦上で、こ
の仮想記憶の手法を穏やかに説明することもできます。

  しかし、しかしですよ、僕の中の何かが、この「革命的統合」を確信
させるのです。

  物理の世界では、電気と磁気を統合して電磁気と称し、電気も磁気も
電磁気の一面として解釈します。もちろん、電磁気などという概念を導
入しなくても、電気は電気、磁気は磁気として考えるならそれでもやっ
ていけます。しかし、電磁気として電気と磁気を統合したときに初めて
はっきりする現象もあるのです(電波とか)。

  アインシュタインは、相対性論で、時間と空間を統合しました。こん
な概念を導入しなくても、ほとんどの場合(亜光速や強い重力場を扱わ
ない場合)の問題は解決するのです。しかしまた、相対論が科学を大き
く進歩させたことを疑う人は(多分)いません。

  物理の話ばかりじゃ面白くないかも知れません。マルチメディアなん
ていう死語はどうでしょう。文章やグラフィック、サウンドが有機的に
組み合わさることで、どんなにコンピューターの表現力が向上したでし
ょうか。

  もう一つ、C++では、データーだけでなく、プログラムコードをも
構造体のメンバーに加えられるように、C言語を拡張したと捉えること
ができます。そして、プログラムをとデーターをはっきり区分していた
旧式の構造化の概念から、プログラムとデーターを統合(結合)したオ
ブジェクト指向への概念に進化したわけです。

  今のところ、ディスクキャッシュと仮想記憶管理との統合によって、
今まで得られなかった何かが新たに得られるようになるのかは分かって
いません。しかし、失われるものはないのです。そして、何かが得られ
るようになるかもしれません。

  僕は、概念の統合が常に前進であると考えています。ディスクキャッ
シュと仮想記憶管理の統合も、きっと前進です。ファイルアクセスとセ
グメンテーションの融合も前進です。・・・もし、この直感が当たって
いれば、われわれは技術革新の最先端にいることになります。


  それでは。

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    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
川合堂社長 / OSASK計画総指揮 / カーネル開発班
E-mail:kawai !Atmark! imasy.or.jp
Homepage http://www.imasy.or.jp/~kawai/