[OSASK 5402] Re: GO計画.

  こんにちは、川合です。今までにいろいろ意見が出たのでいったん集
計します。

  まずは、ZAKKIさん。

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ZAKKI さんは 2002/11/25 17:20:31 の「[OSASK 5395] Re: tolset02(R
e: GO  計画).」で書きました:

>とりあえず賛成します。
>
>メリット:知名度が上がる(宣伝できる)、Winアプリがコンパクトになりみんなの
>ためになる。
>デメリット:OSASKの開発が一時停止する。
>
>と、メリットのほうが大きいような気がしてきたので、賛成します。

  そうそう、僕もこれを考えていました。僕と似たような発想があって
ちょっとうれしいです。

  思い起こせば、NASK開発に4ヶ月もかけたのに、実それほど僕の知名
度は上がっていません。これはNASKがマクロ機能を有しないことで、単
体での利用価値がほとんどないためといえます。

  しかしバックエンドアセンブラとしてのNASKは実にすさまじいものが
あります。小さいし、ちゃんと最適化します。これで一般的なCOFFが出
せるようになれば、NASKの意義は多く知られるようになるかもしれませ
ん。

  つまり、NASKに投資した時間を有効に回収するためにも、GO計画は有
効といえるのではないかなと思っています。GOがもし大ブレイクすれば
、それは結果的にNASKも大ブレイクするというわけです。

  そしてもしGOの知名度が上がれば、OSASKの知名度も当然上がるでし
ょう。僕のむちゃくちゃな発言にも少しは信頼性が出てきます。

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  次に、かの幻の英雄である、Mr.BOWさんから個人的にメールをいただ
きました。内容を要約すると、こんな感じです。

・来年の未踏への応募を考えるなら、脇道にそれるよりもOSASK本体の
  完成度を上げておくべきではないのか?

・OSASK以外で有名になると、かえってOSASKでは予算がつきにくくなる
  のではないか?(これは直接書かれてはいませんでしたが、僕が行間
  を補って読み取りました。>Mr.BOWさん)

  なるほどです。いやあ、盲点でした。というか来年のことをすっかり
忘れていました。それを思い出させてくれたMr.BOWさんに深く感謝いた
します。

  ちなみに来年のテーマは決まっております。「最速のディスクアクセ
スを実現しうるOSASKのファイルシステムの実装」です。考えているア
ルゴリズムを整理して書いて、それをOSASKに実装したいというテーマ
で応募しようと思っています。プリロードとかそういうのも含めて。

  これをやるとなると、確かに「昨年度はOSASKにgccを移植しました。
ついでにwin32版も作って大好評です」は、弱い気がします。というこ
とで基本的にはMr.BOWさんの意見に賛成です。

  しかし一方で、これは企画書の書き方にもよると思いました。たとえ
ば、OSASKは今回、コミュニティーのみなさんを後ろ盾に採択されまし
た。それなら、次回だってコミュニティーを頼るという手があります。
つまりGOでなるたけ多くの反響を集めて、OSASKの知名度をさらに向上
させて、それで勝負を挑むということもできます。

  それに、反響があるということは、それだけ世の中の役に立っている
という何よりの証拠でもあります。ただgccがOSASK上で動くようになっ
たというよりも、gccのOSASK版はあまりに優秀だったのでwin32版を作
ってほしいと強く望まれて、それでwin32版も作って大変好評である、
という説明も可能なわけです。要するに、僕の作るものにハズレはない
、と。

  ちなみに当然のことながら、GOを使ってコンパイルすればwin32アプ
リもコンパクトになりますから、OSASKのアドバンテージは減ります。
これは戦略上よろしくないと思う人もいるかもしれません。しかし、僕
はそうは思いません。絶対に逆転することはありません。OSASKのAPIは
それくらい優秀です。僕は確信しています。僕がwin32版GOに全精力を
傾けてもOSASK版の優位は少し残ります。それがOSASKのアドバンテージ
です。・・・またこれを理由に僕がwin32版のGOの最適化能力を手抜き
するなんてこともありません。僕はベストがほしいのであって、OSASK
に勝たせたいわけではありませんから。

  僕のシナリオはこうです。つまり、OSASKは巨大な実験場です。僕の
思い付いたことはまずOSASKを対象に試されます。OSASKは僕にとっての
ベストの集合体です。そしてうまくいったテクノロジーは他のソフトウ
ェアにも応用されます。その実例がwin32版のGOだったり、NASKだった
りすると説明するわけです。僕たちの目標はオープンな競争の上で、ベ
ストが生き残ることです。OSASKだけの完成ではありません。もし僕た
ちの技術が他ですぐに役立つなら、どんどん輸出するんだと。

  だからもしOSASKのファイルシステムが予定通りの速さになれば、そ
れは他のOSが真似してもいいわけです。アルゴリズムも実装もオープン
なのです。成果をOSASKに独占させる気はさらさらないと。・・・僕は
それでもOSASKが勝ち抜くことをOSASKに期待しているわけです。オープ
ンにしたくらいで負けるようなOSであれば、さっさと滅びるべきです。

  このシナリオはうまく説明できれば説得力があります。というか、こ
うなるともはや来年の応募はOSASK計画がメインではなく、その技術だ
けがテーマですね。OSASKへの実装は一例に過ぎません。だったらLinux
に実装しろとか言われるでしょうから、それはうまく乗り切らなくては
いけません。ということで、Mr.BOWさんの心配したとおり、危ない橋で
あることにはかわりありません。Mr.BOWさんの結論は一理あります。

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  もう一人の方からも個人的にメールをいただきました。掲示板などを
使わずに個人的にメールをくださったことから推察して、きっとお名前
を出したくなかったのでしょう。ということで、ここでも匿名でいきま
す。

  内容は、win32版GO計画はすばらしい、特に普通のwin32上で自身でコ
ンパイルできるという点はMinGWに対する大きなアドバンテージで、そ
して生成されたバイナリにcygwin1.dllみたいなDLLが必要ないところが
キラーだということでした。

  なるほど、言われてみればDLLはいりませんね。というかDLLが必要に
なるような形式なんて僕には考えられませんでした。もし僕が今後win3
2版GO向けにライブラリを作るとすれば、それはもちろんシステムで標
準に付いてくるやつしか使いません。僕にとっては当たり前のことです
。DLLが他に必要だなんて、トータルサイズがでかくなっちゃいますも
ん(笑)。

  もしかすると、MinGWがフリーでかなりのコンパイル能力を有しなが
らVC6などに押されぎみなのは、cygwin1.dllの影響があるのかもしれま
せん(もちろん、統合環境の強さやwin32向けのライブラリの充実など
も大きな要因でしょうけど)。・・・いや、何といってもMinGWは無料
なのです。無料はそれだけでかなり強い普及要因です。それなのに、ど
うしていまいちブレイクしないんですかね・・・。学校でCやC++をやる
にはちょうどいいと思うんですけどね・・・。

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  さて、僕はまだ方針を決定していません。みなさんの反響を見てから
です。以上の意見を踏まえつつ、もっとご意見をください。肯定でも否
定でもいいんです。無関心が一番さみしいです。よろしくお願いします
。


  それでは。

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    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/


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