このメールは、以下のOSASK-ML投稿フォームから書き込まれた内容です。 http://koya.marokun.net/osask/form/ お名前: 剛 題名: Re: [ 内容:感想等長文] 本日OSASKを知った件... [OSASK 7221]へのレスです。 お忙しいところ、返信のご足労お掛けし恐縮です。 以下は純粋な感想として記入していますが、これに対する返信は 川合様の意志を尊重し、目を通されるだけでも一切構いませんので 読み流して頂けたらと思います。 >まず過去との互換性というのは非常に大切です。これを完全否定して も、得るものよりも失うもののほうが多いでしょう。しかし一方で、こ の互換性を意識しすぎて、まず互換ありきでOS開発をはじめてしまった せいで、個性のない、ぶくぶくに太って小回りの利かないOSばかりにな っていると僕は考えます。 川合様の意図を拝見しました。 すなわち、(各OS定義における)共生・共栄の思考に基づき、かつご自身を含め多くの開発者は それぞれの個性と特性を活かし、"複合OS"という定義をよりシンプルな構成で 利用しあう体系を開発できればという意図ではないかと解釈いたしました。 私の個人的なイメージ(OSASKとは関係のない理想)の一つとして、OSの提供体系と互換体系を含めた新しいOSもしくは コンピューターの利用法において、非常にフラクタルな特質を持った構成をベースにし 上位互換・下位互換を非常にシンプルなサイズ若しくはアドオン提供によって 自主選択による安易導入が可能になる仕組みがあればとイメージしておりました。 このフラクタルな特質というものは、一種のフォームで、 これを縮小・拡大のどちらの方向にも利用できるフレキシブルなフォームを指し、 例えば、超小規模コンピューター(組み込み等)から、デスクトップまたその上位を この基本的なフォームをベースにすることで、どのような用途や環境にも 使用できる性質になるものをイメージした事があります。 細胞学で言うところの"ES細胞"のような特質を持っています。 ここでメリットにすべき点は、非常にフレキシブルでエミュレートによる必要環境の 調査・構築を提供し、かつOSASKのフォームのように ベーリファットな方向とは間逆のシンプルクリーンな初期体制(基本フォーム) で容量や無駄を省き、まるで水のようなOSとして利用できる点だとします。 最後の方でも記しますが、それぞれが存在する事は、お互いの意義を尊重しあう事で とてもスマートな世界に通じると思います。 >僕が目指しているのはそのような手法ではなく、まずすべてをいっさ いご破算にして、ソフトウェアは如何に書かれるべきかを再検討し、そ の役割分担においてOSのなすべきことを考え、そのOSがなすべきことを ストレートにプログラムにするということです。OSの設計の際には、エ ミュレーションを受け入れやすくするということ以外は何も考えず、既 存のOSとの親和性は無視します。 そうした結果、OSの進化の過程で不要になった部分はすべてきれいに 無くなり、シンプルで必要十分でかつ高速な基本構造をもつOSが見えて きたわけです。それがOSASKなのです。 つまり、まっさらなグラウンドに、既成概念と体系のファーマットを持ち込むのではなく、 必要な物事を、必要なOSのなすべきことから随時アクティブになったりスタティックに なったりすることで、利用手法・ハードウェアの両面にとってとても優しい 仕組みとして提供するのがOSASKという事にもなるのではないかと考えました。 >移植性に関する問題について 川合様のライブな意思の声明を拝見できただけで非常に 感想をお送りする事が出来て良かったと思っております。 お忙しい中ご足労頂けた事を心から感謝いたします。 >移植性のよさも認めて、両者のバランスをとることが理想的だと考えている わけです。 私もその考えに共感します。 現状が如何であるかは承知の通りです。 ただ、全てを排他するような方向に行くのは個人としては少々閉鎖的で近視的ではないかと 考察するので、この移植性(=新しい定義によるKhaba)・互換性(同位にするのは乱暴ですかね)を 実現するに当たり、様々なメリットとハードルを正面から考え、新しい形に持っていくという 動き方はとても明確で、建設的だと思いました。 その上での >僕以外の人が作るであろう)機種依存のソフトウェア資産については、それを人手によ ってkhabaに書き直させるよりも、エミュレーションするほうが、格段に現実的だからです。 というエミュレーションメリットについての説明として 上記はとても分かりやすかったです。 >今までOSASKはFDという(現在では)貧弱ともいえる環境に縛られた せいで、さらに少ないメモリ・遅いCPUの機種をサポート対象に入れつ づけたおかげで、鍛えられてきました。過酷な条件を与えられたから、 それに耐えられるようになったわけです。ぬるま湯に浸れば、安易な妥 協を繰り返し、他のOSと似たり寄ったりな結論で終わってしまったかも しれません。 確かにFDというのは貧弱(≠使いにくい)なものでしょうね。 でもそれが今ではCFがサポートされ始め、このCFの存在が OSASKのメリットを昇華するには十分な器だと感じています。 逆を言うと、OSASKのサイズとしてCFの32MBから1〜4GBのサイズに 収まる事を想定したいという希望があります。 特に32MB近辺もしくは128MB近辺で収まるようなパッケージがOSASKとして 登場すれば、私にとっては大きな衝撃になると思います。 >もし組み込み用という、さらに厳しい環境にさらされることになれば 、OSASKはきっとさらに強くなるチャンスを得ると思うのです。 きっとより効率的でかつどのOSASKバージョンでも利用できるような ルーチンやプロセスが生まれるかも知れませんね。 進化する機会があること、そしてもし川合さんをはじめとした作家さんの 意志によりそのチャンスを掴める事を心から応援したいです。 >まあ、主流になれるかどうかは気にしないで、飽くまでも自分の理想 を追い求めて、妥協のなくやっていきたいです。その結果として、主流 になればそれは素晴らしいことですし、なれければそれでもいいです。 まったくもってその通りでしたね。 主流になるかなんてのはともかく、既存の様々な意義を持ったそれぞれが 一種の環境で、資産として活かしあう事が出来るならば 他には何も望みません。 たとえ主流になろうが、異端になろうが、ひとつの個別化された存在としての 意義の方が非常に大きいし、どちらにせよ新しい一石を投じた事は確かなのですし。 何より、移植性・互換性の定義云々よりも、出来る限り全ての資産を 既成の互換性云々という仕組みから脱却し、かつ活かしあえる環境が大切だと思います。 そしてOSASKの理念がことごとく現実化されることを願います。 プログラミングの術はまだ習得していませんが、理想の拡大に 実行レベルから協力できない事が非常に惜しいです。 願わくは、OSASKの理念がさらに発展し、常に進化を選ぶ アクティブで素晴らしい個性を持ちながらも他を排他せず、少しでも多くの 共生・共栄、融和の体系が提供されるよう申し上げます。 お忙しい中ありがとうございました。