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「ぐいぐい01」や「khaba(ぐいぐい02)」の目的
(0)
(1) 要点
(2) 議論
(3) リンク
こめんと欄
「ぐいぐい01」や「khaba(ぐいぐい02)」の目的
(by
K
, 2009.10.12)
(0)
どういう意図でこれらが開発されているか全く分かっていない人がいたので、明文化しておきます。
(1) 要点
レベル2
「ぐいぐい01」がもしそれなりに完成すれば、多くのOS開発者はアプリ不足問題を容易に解決できます。なぜならefg01を移植するだけで、「ぐいぐい01」用のアプリを全て使えるようになるからです。これは多くの主要なアプリを自分のOSのAPIを使って移植するより楽ですし、エミュレータを整備するよりも楽です。
以前から和製OSの世界では、OS作者が一つにまとまって協力し合えば、きっといいものができるのにもったいない、みたいな話がくすぶっています。「ぐいぐい01」は、それを実現するかもしれない現実的な提案なのです。みんなで(ある程度の)アプリを共有しませんか?という。
レベル1
「ぐいぐい01」が完成しても、他の和製OS作者やそれぞれのコミュニティのアプリ作者には、十分な共感が得られないかもしれません。それでも、自分がOSを何度も作り直すかもしれないのなら、これはメリットがあります。OSを作り直してAPIを作り直したとしても、efg01だけ移植すればOSASK-HB用のソフトウェア資産は全部引き継げるのです。
khaba
khabaの効果は、「ぐいぐい01」のCPU依存を取り除いたものなので、x86向けではないOSに対しても同じ効果が得られるというだけです。同じようにレベル2とレベル1の面で効果があるでしょう。
(2) 議論
POSIX互換方式はソースレベルだし(だからオープンソースでないと移植できない)、標準ライブラリをそろえなければいけないし(これは大変)、それでいて他のAPIに比べてアドバンテージがあるというわけではないのです。ただ移植が楽だというだけです。
「ぐいぐい01」などは、APIを変えたらこんなにアプリは変わりうるのだということを実証したのです。それでもPOSIXに魅力を感じるのならPOSIXでいいと思いますし、もっと可能性を追求してから決めたいと思えば、いろいろなAPIを設計して、実験すればいいでしょう。あなたが設計したAPIも「ぐいぐい01」と同程度に利用しやすいものなら、そしてメリットがあれば、世間に受け入れられると思うのです。APIはまだまだ改善の余地があります。POSIXで十分とか思っている人は、新しいOSなんて作らないでUNIXのサブセットでも作っていればいいんです。
K
はそう思います。
自分ひとりでできることは限られています。仮に後継者を立てることができても、自分のOSプロジェクトだけでできることも限られています。自分のOSさえよければそれでいいという考え方は可能ですが、僕はそれよりも、和製OS界全体にとって利益あることをして、底上げしたほうが、結局は早く理想のOSが出来上がるように思うのです。OS開発を容易にして、競争をおきやすくして、くだらない再実装の手間を減らしたいのです。
レベル1の観点は、
K
よりもずっと先にneriさんが指摘して着手しました。それについては
design006
にまとめてあります。
レベル2の目的が最初からあるにもかかわらず、
K
は他の和製OS作者に対してまだ積極的な呼びかけを行ってはいません。これはおかしいと思うかもしれません。しかし現状はいろいろと試行錯誤している段階なので、まだ他の人たちに呼びかけるような段階ではないと思っているのです。
K
は「ぐいぐい01」やkhabaだけが共通アプリ基盤として最高だと思っているわけではありません。POSIXやCOM64-GREのように、こういう目的の規格がもっとあっていいのです。それで競い合ってレベルが上がればそれでいいんです。そういう流れさえできれば、たとえデファクトスタンダードになれなくても、「ぐいぐい01」やkhabaの目的は達成されたといえるのです(
K
自身も自分の観点で見て他のAPIのほうが魅力的に思えば、それに乗り換える可能性は十分にある・・・その場合もefg01を提供して、それまでのソフトウェア資産は全部持ってくるが)。
(3) リンク
http://osask.jp/boyaki.html
の 2008/06/24号。
こめんと欄
Last-modified: 2009-11-21 (土) 00:00:00 (JST) (319d) by k-tan