* ぐいぐい01に関するメモ-25 -(by [[K]], 2009.01.12) -メモのうち重要な部分をそのうちまとめてまともなページを作る *** (37) GOで「ぐいぐい01」アプリを作る(3) -[[GUIGUI01/memo24]]の続きです。仕様変更ももうそんなにはないと思うので、書いても問題はないかなと。 ---- -ex0011では、0から100までの和をやりました。でも、これを1000までの和に変えようとしたら、そのたびにソースを変更してmakeしなおさなければいけません。これはかっこよくないです。そうじゃなくて、コマンドラインから指定したいですよね。ということで、このページはコマンドライン特集です。ちなみにこのページまでの知識だけで、calendarは作れます。つまりアイデア次第で、この程度のAPIだけでも、役立つものは作れるのです。ということでex0012.cを。 #include <guigui01.h> /* これは関数の外で宣言するのが望ましい */ unsigned char cmdusage[] = { 0x86, 0x55, /* この2つは決まり文句なのでとりあえず変更しない */ 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* この説明は本文で */ 0x40 /* 最後のこれも決まり文句なので変更しない */ }; void setdec(char *s, int i, int n) { (ex0010.cと同じ内容) } char *skip_space(char *s) { (ex0010.cと同じ内容) } void G01Main() { int i, j = 0, n; char s[11]; g01_setcmdlin(cmdusage); /* コマンドラインの使い方をシステムに教える */ n = g01_getcmdlin_int_s(0); /* 本文参照 */ for (i = 0; i <= n; i++) { j += i; } setdec(s, j, 10); s[10] = 0; g01_putstr0(skip_space(s)); return; } -詳しい説明は後でします。とにかくまずはこれをmakeします。229バイトになります。 -まず試しにこれを引数なしで実行してみます。 >efg01 ex0012.g01 usage>ex0012.g01 n:# -こんな表示が出るはずです。これは使い方表示です(ちなみに「#」はこの場合はナンバーと読みます、シャープではなく)。 --参考: http://ext.dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=number+sign&kind=jrej&mode=0&SE=number+sign -このように「ぐいぐい01」では、「引数名:引数」という形でプログラムにいろいろな値を渡すことができます。実際に渡してみましょう。 >efg01 ex0012.g01 n:100 5050 >efg01 ex0012.g01 n:1000 500500 -とまあこんな感じです。 -それでは少しずつ説明しましょう。謎の表現として、まず以下のものがありました。 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* この説明は本文で */ -これは、 0x0c, (引数名の文字数-1), (引数名), 0x1c, (説明部分の文字数), (説明) -となっています。だからここを、こんな風に書くこともできます。 0x0c, 2, 'n', 'u', 'm', 0x1c, 6, 'n', 'u', 'm', 'b', 'e', 'r', -この場合は当然、使い方表示も変わります。 -プログラムでは真っ先に g01_setcmdlin(cmdusage); を実行していますが、これはとても大事なことです。早ければ早いほどいいです。システムは、このAPIを受け付けると直ちにコマンドラインの解析を始めて、不足があれば自動的に使い方表示を出して終了します。つまりこの関数を無事にすり抜けた時点で、もうn:の記述があることは間違いありません。 -そしてその値は、 g01_getcmdlin_int_s(0) で受け取れます。この0は、引数リスト(cmdusage)の一番上という意味です。上記の宣言方法ですと、nはint型でかつシングル型(通常型)なので、g01_getcmdlin_int_s()を使います。 -さて、プログラムはそのままにして、 >efg01 ex0012.g01 n:100*10 -とやってみるとどうでしょうか?そう「500500」とでます。また n:0x64 としたら「5050」がでます。つまりex0012.g01がintの値をn:として欲しがっているのがシステムに分かっているので、システムは後続の文字列を数式として正しく解釈できるのです。一般的なOSではコマンドライン引数は文字列型しかないので、こういう気の利いたことは(ライブラリか何かを整備しないと)できません。229バイト程度ではまず無理でしょう。 ---- -じゃあ次は引数を二つ使いましょうかね。ex0013.cです。 #include <guigui01.h> unsigned char cmdusage[] = { 0x86, 0x55, 0x0c, 0, 'i', 0x1c, 1, '#', 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', 0x40 }; void setdec(char *s, int i, int n) { (ex0010.cと同じ内容) } char *skip_space(char *s) { (ex0010.cと同じ内容) } void G01Main() { int i, j = 0, n; char s[11]; g01_setcmdlin(cmdusage); n = g01_getcmdlin_int_s(1); for (i = g01_getcmdlin_int_s(0); i <= n; i++) { j += i; } setdec(s, j, 10); s[10] = 0; g01_putstr0(skip_space(s)); return; } -これをmakeすると245バイトになります。プログラムは今までの知識から推測すれば分かると思いますが、iからnまでの和を計算しています。引数が2個になることで、引数名を指定する意味が出てきます。というのは、 >efg01 ex0013.g01 i:3 n:5 12 -と書いてもいいし、 >efg01 ex0013.g01 n:5 i:3 12 -と書いてもいいからです。つまり引数名をきちんと覚えておけば、指定する順序を忘れたっていいのです。次に引数の省略というのをやりますが、それも引数名があるからこそ、どれが省略されたのか分かるのです。こういうことを標準関数だけでやろうとすると、かなりの行数を食うでしょう。 ---- -ということで省略可能な引数の説明です。ex0014.cです。 #include <guigui01.h> unsigned char cmdusage[] = { 0x86, 0x55, 0x1c, 0, 'i', 0x1c, 1, '#', /* 最初が0x0cから0x1cに変わったのに注目! */ 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* 最初が0x0cから0x1cに変わったのに注目! */ 0x40 }; void setdec(char *s, int i, int n) { (ex0010.cと同じ内容) } char *skip_space(char *s) { (ex0010.cと同じ内容) } void G01Main() { int i, j = 0, n; char s[11]; g01_setcmdlin(cmdusage); n = g01_getcmdlin_int_o(1, 100); for (i = g01_getcmdlin_int_o(0, 0); i <= n; i++) { j += i; } setdec(s, j, 10); s[10] = 0; g01_putstr0(skip_space(s)); return; } -これをmakeすると260バイトになります。変わったところは、cmdusage[ ]と引数の取得がg01_getcmdlin_int_o()になったことです。oはオプショナル型という意味で、つまり省略可能な引数を受け取るときに使います。省略した場合は、2番目の引数の値が指定されたと見なされます。今回はどちらも省略可能になったので、引数なしで実行してもusageは出ません。 >efg01 ex0014.g01 5050 >efg01 ex0014.g01 n:1000 500500 >efg01 ex0014.g01 i:98 297 ---- -さてそろそろ足し算にも飽きたので、別のことをやろうと思います。ex0015.cですね。 #include <guigui01.h> unsigned char cmdusage[] = { 0x86, 0x55, 0x0c, 0, 's', 0x3c, 3, 's', 't', 'r', /* 0x3cは文字列型引数 */ 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', 0x40 }; void G01Main() { int i, n; char s[16]; g01_setcmdlin(cmdusage); g01_getcmdlin_str_s0(0, 16, s); /* sに受け取る、最大16バイトまで、末尾に0が入る */ n = g01_getcmdlin_int_o(1, 10); for (i = 0; i < n; i++) { g01_putstr0(s); } return; } -これをmakeすると143バイトになります。これは何をやっているかというと、文字列sと回数nを受け取って、sをn回表示するという、ただそれだけのものです。まずはusageを。 >efg01 ex0015.g01 usage>ex0015.g01 s:str [n:#] -ああ、いい忘れてましたが、このように省略可能な部分には[ ]がつきます。実行すると以下のようになります。 >efg01 ex0015.g01 s:abc abcabcabcabcabcabcabcabcabcabc >efg01 ex0015.g01 s:12 n:3 121212 >efg01 ex0015.g01 s:1+2 n:1+2 1+21+21+2 -ここで一つefg01を困らせてみましょう。16文字以上をsに渡そうとするとどうなるでしょうか? >efg01 ex0015.g01 s:1234567890123456 Too long Command line ("1234567890123456" max:16) -こんなエラーが出て自動で止まります。これは現在「バッファオーバーを継続不可能なエラーとして処理する」モードになっているせいなのですが、このおかげでアプリ側は収まりきらなかったときのエラー処理を考える必要がなくなっています。 ---- -このページもすっかり長くなったので最後です。ex0016.cです。 unsigned char cmdusage[] = { 0x86, 0x5c, 0, /* ここが変わった! */ 0x0c, 0, 's', 0x3c, 3, 's', 't', 'r', 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', 0x40 }; void G01Main() { (ex0015.cと同じ内容) } -これをmakeすると144バイトになります。今回はusageを改造しただけなので、usageが変わります。まず見てみましょう。 >efg01 ex0016.g01 usage>ex0016.g01 [s:]str [[n:]#] -これはどういうことかというと、s:やn:の部分(つまり引数名)を省略できるようになったのです。 >efg01 ex0016.g01 abc 4 abcabcabcabc -システムは、コロンを含まない引数を見つけると、まだ指定されていない引数に当てはめようとします。しかし 0x55, を指定しているときは、その機能があえて無効になっていました。 0x5c, ?, を指定すると、?で指定した引数から、当てはめようとするようになります。これにより、引数の順序を覚えている場合は、いちいちs:やn:を書かなくてよくなるわけです(もちろんいちいち書いてもいい)。 * こめんと欄 - これくらい分かっていればcalendarを作ることもできるので、誰かが僕以外の作者では初の「ぐいぐい01」アプリを作ってくれるかなあ?まあ問題はアイデアですよね。これだけのAPIで何をやるかって言うのは、なかなかハードルが高いでしょう。 -- [[K]] &new{2009-01-12 (月) 15:22:44}; - ちなみに[[K]]作のカレンダーは[[GUIGUI01/memo22]]の2009.01.11のところにあります。 -- ''K'' &new{2009-01-12 (月) 21:08:55}; #comment