1: 2009-01-12 (月) 13:40:09 [6] | 2: 2009-01-12 (月) 15:22:44 [7] | ||
---|---|---|---|
Line 8: | Line 8: | ||
#include <guigui01.h> | #include <guigui01.h> | ||
+ | /* これは関数の外で宣言するのが望ましい */ | ||
unsigned char cmdusage[] = { | unsigned char cmdusage[] = { | ||
0x86, 0x55, /* この2つは決まり文句なのでとりあえず変更しない */ | 0x86, 0x55, /* この2つは決まり文句なのでとりあえず変更しない */ | ||
- | 0x0c, 0x00, 'n', 0x1c, 0x01, '#', /* この説明は本文で */ | + | 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* この説明は本文で */ |
0x40 /* 最後のこれも決まり文句なので変更しない */ | 0x40 /* 最後のこれも決まり文句なので変更しない */ | ||
}; | }; | ||
Line 38: | Line 39: | ||
return; | return; | ||
} | } | ||
+ | -詳しい説明は後でします。とにかくまずはこれをmakeします。229バイトになります。 | ||
+ | -まず試しにこれを引数なしで実行してみます。 | ||
+ | >efg01 ex0012.g01 | ||
+ | usage>ex0012.g01 n:# | ||
+ | -こんな表示が出るはずです。これは使い方表示です(ちなみに「#」はこの場合はナンバーと読みます、シャープではなく)。 | ||
+ | --参考: http://ext.dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=number+sign&kind=jrej&mode=0&SE=number+sign | ||
+ | -このように「ぐいぐい01」では、「引数名:引数」という形でプログラムにいろいろな値を渡すことができます。実際に渡してみましょう。 | ||
+ | >efg01 ex0012.g01 n:100 | ||
+ | 5050 | ||
+ | >efg01 ex0012.g01 n:1000 | ||
+ | 500500 | ||
+ | -とまあこんな感じです。 | ||
+ | -それでは少し説明しましょう。謎の表現として、まず以下のものがありました。 | ||
+ | 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* この説明は本文で */ | ||
+ | -これは、 | ||
+ | 0x0c, (引数名の文字数-1), (引数名), 0x1c, (説明部分の文字数), (説明) | ||
+ | -となっています。だからここを、こんな風に書くこともできます。 | ||
+ | 0x0c, 2, 'n', 'u', 'm', 0x1c, 6, 'n', 'u', 'm', 'b', 'e', 'r', | ||
+ | -この場合は当然、使い方表示も変わります。 | ||
+ | -プログラムでは真っ先に g01_setcmdlin(cmdusage); を実行していますが、これはとても大事なことです。早ければ早いほどいいです。システムは、このAPIを受け付けると直ちにコマンドラインの解析を始めて、不足があれば自動的に使い方表示を出して終了します。つまりこの関数を無事にすり抜けた時点で、もうn:の記述があることは間違いありません。 | ||
+ | -そしてその値は、 g01_getcmdlin_int_s(0) で受け取れます。この0は、引数リスト(cmdusage)の一番上という意味です。上記の宣言方法ですと、nはint型でかつシングル型(通常型)なので、g01_getcmdlin_int_s()を使います。 | ||
+ | -さて、プログラムはそのままにして、 | ||
+ | >efg01 ex0012.g01 n:100*10 | ||
+ | -とやってみるとどうでしょうか?そう「500500」とでます。また n:0x64 としたら「5050」がでます。つまりex0012.g01がintの値をn:として欲しがっているのがシステムに分かっているので、システムは後続の文字列を数式として正しく解釈できるのです。一般的なOSではコマンドライン引数は文字列型しかないので、こういう気の利いたことは(ライブラリか何かを整備しないと)できません。229バイト程度ではまず無理でしょう。 | ||
+ | ---- | ||
+ | -じゃあ次は引数を二つ使いましょうかね。ex0013.cです。 | ||
+ | #include <guigui01.h> | ||
+ | |||
+ | unsigned char cmdusage[] = { | ||
+ | 0x86, 0x55, | ||
+ | 0x0c, 0, 'i', 0x1c, 1, '#', | ||
+ | 0x0c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', | ||
+ | 0x40 | ||
+ | }; | ||
+ | |||
+ | void setdec(char *s, int i, int n) | ||
+ | { | ||
+ | (ex0010.cと同じ内容) | ||
+ | } | ||
+ | |||
+ | char *skip_space(char *s) | ||
+ | { | ||
+ | (ex0010.cと同じ内容) | ||
+ | } | ||
+ | |||
+ | void G01Main() | ||
+ | { | ||
+ | int i, j = 0, n; | ||
+ | char s[11]; | ||
+ | g01_setcmdlin(cmdusage); | ||
+ | n = g01_getcmdlin_int_s(1); | ||
+ | for (i = g01_getcmdlin_int_s(0); i <= n; i++) { | ||
+ | j += i; | ||
+ | } | ||
+ | setdec(s, j, 10); | ||
+ | s[10] = 0; | ||
+ | g01_putstr0(skip_space(s)); | ||
+ | return; | ||
+ | } | ||
+ | -これをmakeすると245バイトになります。プログラムは今までの知識から推測すれば分かると思いますが、iからnまでの和を計算しています。引数が2個になることで、引数名を指定する意味が出てきます。というのは、 | ||
+ | >efg01 ex0013.g01 i:3 n:5 | ||
+ | 12 | ||
+ | -と書いてもいいし、 | ||
+ | >efg01 ex0013.g01 n:5 i:3 | ||
+ | 12 | ||
+ | -と書いてもいいからです。つまり引数名をきちんと覚えておけば、指定する順序を忘れたっていいのです。次に引数の省略というのをやりますが、それも引数名があるからこそ、どれが省略されたのか分かるのです。こういうことを標準関数だけでやろうとすると、かなりの行数を食うでしょう。 | ||
+ | ---- | ||
+ | -ということで省略可能な引数の説明です。ex0014.cです。 | ||
+ | #include <guigui01.h> | ||
+ | |||
+ | unsigned char cmdusage[] = { | ||
+ | 0x86, 0x55, | ||
+ | 0x1c, 0, 'i', 0x1c, 1, '#', /* 最初が0x0cから0x1cに変わったのに注目! */ | ||
+ | 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', /* 最初が0x0cから0x1cに変わったのに注目! */ | ||
+ | 0x40 | ||
+ | }; | ||
+ | |||
+ | void setdec(char *s, int i, int n) | ||
+ | { | ||
+ | (ex0010.cと同じ内容) | ||
+ | } | ||
+ | |||
+ | char *skip_space(char *s) | ||
+ | { | ||
+ | (ex0010.cと同じ内容) | ||
+ | } | ||
+ | |||
+ | void G01Main() | ||
+ | { | ||
+ | int i, j = 0, n; | ||
+ | char s[11]; | ||
+ | g01_setcmdlin(cmdusage); | ||
+ | n = g01_getcmdlin_int_o(1, 100); | ||
+ | for (i = g01_getcmdlin_int_o(0, 0); i <= n; i++) { | ||
+ | j += i; | ||
+ | } | ||
+ | setdec(s, j, 10); | ||
+ | s[10] = 0; | ||
+ | g01_putstr0(skip_space(s)); | ||
+ | return; | ||
+ | } | ||
+ | -これをmakeすると260バイトになります。変わったところは、cmdusage[ ]と引数の取得がg01_getcmdlin_int_o()になったことです。oはオプショナル型という意味で、つまり省略可能な引数を受け取るときに使います。省略した場合は、2番目の引数の値が指定されたと見なされます。今回はどちらも省略可能になったので、引数なしで実行してもusageは出ません。 | ||
+ | >efg01 ex0014.g01 | ||
+ | 5050 | ||
+ | |||
+ | >efg01 ex0014.g01 n:1000 | ||
+ | 500500 | ||
+ | |||
+ | >efg01 ex0014.g01 i:98 | ||
+ | 297 | ||
+ | ---- | ||
+ | -さてそろそろ足し算にも飽きたので、別のことをやろうと思います。ex0015.cですね。 | ||
+ | #include <guigui01.h> | ||
+ | |||
+ | unsigned char cmdusage[] = { | ||
+ | 0x86, 0x55, | ||
+ | 0x0c, 0, 's', 0x3c, 3, 's', 't', 'r', /* 0x3cは文字列型引数 */ | ||
+ | 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', | ||
+ | 0x40 | ||
+ | }; | ||
+ | |||
+ | void G01Main() | ||
+ | { | ||
+ | int i, n; | ||
+ | char s[16]; | ||
+ | g01_setcmdlin(cmdusage); | ||
+ | g01_getcmdlin_str_s0(0, 16, s); /* sに受け取る、最大16バイトまで、末尾に0が入る */ | ||
+ | n = g01_getcmdlin_int_o(1, 10); | ||
+ | for (i = 0; i < n; i++) { | ||
+ | g01_putstr0(s); | ||
+ | } | ||
+ | return; | ||
+ | } | ||
+ | -これをmakeすると143バイトになります。これは何をやっているかというと、文字列sと回数nを受け取って、sをn回表示するという、ただそれだけのものです。まずはusageを。 | ||
+ | >efg01 ex0015.g01 | ||
+ | usage>ex0015.g01 s:str [n:#] | ||
+ | -ああ、いい忘れてましたが、このように省略可能な部分には[ ]がつきます。実行すると以下のようになります。 | ||
+ | >efg01 ex0015.g01 s:abc | ||
+ | abcabcabcabcabcabcabcabcabcabc | ||
+ | |||
+ | >efg01 ex0015.g01 s:12 n:3 | ||
+ | 121212 | ||
+ | |||
+ | >efg01 ex0015.g01 s:1+2 n:1+2 | ||
+ | 1+21+21+2 | ||
+ | -ここで一つefg01を困らせてみましょう。16文字以上をsに渡そうとするとどうなるでしょうか? | ||
+ | >efg01 ex0015.g01 s:1234567890123456 | ||
+ | Too long Command line ("1234567890123456" max:16) | ||
+ | -こんなエラーが出て自動で止まります。これは現在「バッファオーバーを継続不可能なエラーとして処理する」モードになっているせいなのですが、このおかげでアプリ側は収まりきらなかったときのエラー処理を考える必要がなくなっています。 | ||
+ | ---- | ||
+ | -このページもすっかり長くなったので最後です。ex0016.cです。 | ||
+ | unsigned char cmdusage[] = { | ||
+ | 0x86, 0x5c, 0, /* ここが変わった! */ | ||
+ | 0x0c, 0, 's', 0x3c, 3, 's', 't', 'r', | ||
+ | 0x1c, 0, 'n', 0x1c, 1, '#', | ||
+ | 0x40 | ||
+ | }; | ||
+ | |||
+ | void G01Main() | ||
+ | { | ||
+ | (ex0015.cと同じ内容) | ||
+ | } | ||
+ | -これをmakeすると144バイトになります。今回はusageを改造しただけなので、usageが変わります。まず見てみましょう。 | ||
+ | >efg01 ex0016.g01 | ||
+ | usage>ex0016.g01 [s:]str [[n:]#] | ||
+ | -これはどういうことかというと、s:やn:の部分(つまり引数名)を省略できるようになったのです。 | ||
+ | >efg01 ex0016.g01 abc 4 | ||
+ | abcabcabcabc | ||
+ | -システムは、コロンを含まない引数を見つけると、まだ指定されていない引数に当てはめようとします。しかし 0x55, を指定しているときは、その機能があえて無効になっていました。 0x5c, ?, を指定すると、?で指定した引数から、当てはめようとするようになります。これにより、引数の順序を覚えている場合は、いちいちs:やn:を書かなくてよくなるわけです(もちろんいちいち書いてもいい)。 | ||
* こめんと欄 | * こめんと欄 | ||
+ | - これくらい分かっていればcalenderを作ることもできるので、誰かが僕以外の作者では初の「ぐいぐい01」アプリを作ってくれるかなあ?まあ問題はアイデアですよね。これだけのAPIで何をやるかって言うのは、なかなかハードルが高いでしょう。 -- [[K]] &new{2009-01-12 (月) 15:22:44}; | ||
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