1: 2004-12-11 (土) 18:57:52 [5] | 現: 2024-01-08 (月) 12:58:56 k-tan[6] [7] | ||
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- | * naskでOSASKアプリを作ってみよう、のページ | + | TITLE:x |
+ | * naskでOSASKアプリを作ってみよう、のページ [#j877c256] | ||
-(by [[K]], 2004.12.11) | -(by [[K]], 2004.12.11) | ||
+ | -そもそもnaskってなによ、っていうのがあると思いますが、naskは[[K]]が作ったアセンブラです。 | ||
+ | --より詳しくはこちら → [[Z:GO/nask]] | ||
- | *** まずは開発環境の入手 | + | *** まずは開発環境の入手 [#y31fc570] |
-この記述は数ヶ月以内に更新されそうですが、とりあえず現状重視で。 | -この記述は数ヶ月以内に更新されそうですが、とりあえず現状重視で。 | ||
+ | //-[[downloads/dev]]のページへ行って、''最新版''のところの、「osa_dir2」というやつをダウンロードしてください。 | ||
+ | -[[downloads/dev]]のページへ行って、''最新版''のところの、「tolset08」というやつをダウンロードしてください(lzhでもsarでもどっちでもOK)。 | ||
+ | --2MB強ありますが、これはCコンパイラとかテストラン用のOSASKやエミュレータなどが入っているせいです。すみません。 | ||
+ | -これをどこでもいいですので、適当なところに解凍します。 | ||
+ | *** プロジェクト作成 [#g7cfda6c] | ||
+ | -次に、新規にアプリを作りますので、z_new_oというディレクトリを探してください。これをコピーして、同じディレクトリにペーストします。すると、「コピー ~ z_new_o」とかいう名前のフォルダができます。これを「naskhelo」にリネームしてください。 | ||
+ | --もちろん他の好きな名前でもいいですよ。 | ||
+ | -改名が済んだら、naskheloの中に入って、Makefileを探し、これをテキストエディタで開きます。とりあえずはメモ帳で十分です。 | ||
+ | -そして一番上の行のTARGETの記述を以下のように直します。 | ||
+ | TARGET = naskhelo | ||
+ | -最後にnaskheloの中で 右クリック→新規作成→テキストドキュメント とやって、新規テキストドキュメントを作ります。そしてこれを、「naskhelo.nas」に改名します。拡張子を変更するとどうたらこーたらとかいいますが、無視してOKしてください。 | ||
- | * こめんと欄 | + | *** ソース作成 [#h0130fbb] |
- | #comment | + | -さて、それではnaskhelo.nasを開いて、以下のソースをがしがしと入力してください。 |
+ | --ニーモニックやレジスタ名が大文字になっていますが、もちろん小文字でも構いません。 | ||
+ | [FORMAT "WCOFF"] | ||
+ | [INSTRSET "i486p"] | ||
+ | [OPTIMIZE 1] | ||
+ | [BITS 32] | ||
+ | [FILE "naskhelo.nas"] | ||
+ | ; 以上6行はおまじない。COFFモード、486命令利用可能、最適化ON、32bitモード、ソースファイル名。 | ||
+ | [SECTION .text] | ||
+ | GLOBAL _OsaskMain | ||
+ | _OsaskMain: | ||
+ | MOV EBX,func_init | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | MOV EBX,func_openwin | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | MOV EBX,func_titlebox | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | MOV EBX,func_settitle | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | MOV EBX,func_sleep | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | ; 永久スリープなので帰ってこない | ||
+ | |||
+ | [SECTION .data] | ||
+ | ALIGNB 4 | ||
+ | |||
+ | func_init: | ||
+ | DD 0x0004, work, 0x0000 | ||
+ | ; ファンクション番号0x04(API初期化), ワークエリアのポインタ, 終了ファンクション番号0x00 | ||
+ | |||
+ | func_openwin: | ||
+ | DD 0x0020, window, 0x0200, 18 * 8, 3 * 16, 0x0000 | ||
+ | ; ファンクション番号0x20(ウィンドウオープン), window構造体のポインタ, スロット番号0x200, xサイズ(ドット単位), yサイズ(ドット単位), | ||
+ | ; 終了ファンクション番号0x00 | ||
+ | |||
+ | func_titlebox: | ||
+ | DD 0x0028, 0x1000, wintitle, 0, 8, 1, 0, 0, window, 0x00c0, 0, 0x0000 | ||
+ | ; ファンクション番号0x28(テキストボックスオープン), オプション0x1000(ウィンドウタイトルモード), textbox構造体のポインタ, 背景色0, | ||
+ | ; xサイズ(キャラクタ単位), yサイズ(キャラクタ単位), 表示x位置0, 表示y位置0, window構造体のポインタ, | ||
+ | ; 標準キャラクタセット使用(0x00c0), リザーブ0, 終了ファンクション番号0x00 | ||
+ | |||
+ | func_settitle: | ||
+ | DD 0x0040, 0x1000, 0, 0, wintitle, 0, 0, 0, 8, "naskhelo", 0x0000 | ||
+ | ; ファクション番号0x40(テキスト表示), オプション0x1000(8bitキャラクタモード), 表示x位置0, 表示y位置0, textbox構造体のポインタ, | ||
+ | ; 文字色0, 背景色0, キャラクタコードオフセット0, 文字数8, 文字列"naskhelo", 終了ファンクション番号0x00 | ||
+ | |||
+ | func_sleep: | ||
+ | DD 0x0018, 0x0001, 0, 0, 0x0000 | ||
+ | ; ファンクション番号0x0018(シグナル関係の処理), オプション1(スリープ), パラメータ0, パラメータ0, 終了ファンクション番号0x00 | ||
+ | |||
+ | ALIGNB 16 ; 本当はalign8で十分(ただの気分で16にしてしまった) | ||
+ | work: | ||
+ | RESB 256 ; func_initに必要な256バイトのワークエリア | ||
+ | window: | ||
+ | RESB 128 ; ウィンドウ構造体 | ||
+ | wintitle: | ||
+ | RESB 64 ; テキストボックス構造体 | ||
+ | RESB 8 * 1 * 8 ; 8文字分 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | *** どうやってアセンブルするの? [#q4b118d4] | ||
+ | -まず、コンソールを開きます。開き方は使っているOSによって違います。 | ||
+ | --Win2000, WinXPなどのNT系: !cons_nt.batをダブルクリック | ||
+ | --Win95, Win98などの9X系: !cons_9x.batをダブルクリック | ||
+ | -コンソールが出てきたら、makeとだけうってEnterを押してください。 | ||
+ | -これだけでリンクまで全自動でやってくれます。 | ||
+ | -できたアプリは、naskhelo.binです。 | ||
+ | //--osa_dir2で作った場合は多分161バイトです。 | ||
+ | --tolset08で作った場合は多分127バイトです。 | ||
+ | |||
+ | *** どうやってテスト実行するの? [#xa59c86f] | ||
+ | -同じくコンソールから、make runとだけうってEnterを押してください。 | ||
+ | -しばらく待っていると、勝手にOSASKがエミュレータ環境で起動します。 | ||
+ | -で、pokonの一番上の、 !BUILT.BIN を実行してください。 | ||
+ | -うまくいけばウィンドウが表示されます。 | ||
+ | |||
+ | *** ほかのアセンブラになれている人へ [#a0a46fbd] | ||
+ | -naskはMASMとかとは少し文法が違います。NASMの文法とほとんど同じです。 | ||
+ | -GLOBAL文はいわゆるPUBLIC文です。 | ||
+ | -ラベルの扱いですが、何も書かないとみんなOFFSET指定とみなされます。というかOFFSETを書いたらエラーです。したがって | ||
+ | MOV EBX,func_init | ||
+ | -は、EBXに4が入るわけではなく、アドレスが入ります。メモリを参照させたいときは、[]でくくります。 | ||
+ | MOV EBX,[func_init] | ||
+ | -こうすればEBXには4が入ります。 | ||
+ | -tolset08のnaskは新しいやつなので、[section .bss]も使えます。bssセクションでは、RESB/RESW/RESDしかつかえませんが。 | ||
+ | //-[section .bss]を使えばBSSも使えるはずなのですが、osa_dir2のnaskは古いので、うまくいきません。全部.dataセクションにいれちゃってください。大丈夫です、オールゼロのデータは適当に圧縮されるのでほとんど問題ありません。 | ||
+ | //--.bssが使えるバージョンをパッケージしたらここの記述は直しますね。 | ||
+ | -RESB文は何かと言うと、DB dupみたいなものです。 RESB 256 は DB 256 dup (0) に相当します。 | ||
+ | --NASMもnaskでも、DBなどでdup構文を使うことはできません。 | ||
+ | |||
+ | *** ほかのOSのAPIになれている人へ [#h35f30db] | ||
+ | -OSASKではAPI呼び出しはメモリを経由したポインタ渡しです。メモリにファンクション番号とパラメータを並べて、その先頭アドレスをEBXにいれて、CALL 0xc7:0をするだけです。正常終了する限りにおいて、EBX以外のレジスタは保存されます(ファンクション0x04を除く)。フラグは保存されません。 | ||
+ | -毎回.dataセクションにパラメータをだらだら書かないといけないのか、という誤解をする人がいますが、そんなことはありません。スタック渡しっぽいことも簡単にできます。たとえばfunc_initの呼び出しは、以下のようにやってもいいのです。 | ||
+ | PUSH 0 | ||
+ | PUSH work | ||
+ | PUSH 4 | ||
+ | MOV EBX,ESP | ||
+ | CALL 0xc7:0 | ||
+ | ADD ESP,12 | ||
+ | -OSASKアプリのメモリモデルは、DS == ES == SS != CS です。つまり.textセクション内のデータにアクセスするにはCS:プリフィクスが必須です。また、PUSH(CS); POP(ES);などをやってESにCSのセレクタを代入しても、.textセクションの内容を書き換えることはできません。リードオンリーです。無理やり書き換えようとすれば、一般保護例外になるだけです。 | ||
+ | --ということが面倒極まりないので、普通は全部のデータを.dataセクションにおきます。リードオンリーのデータも.dataセクションに置いちゃいます。そうすればややこしいセグメントに悩まされずに済みますからね。 | ||
+ | |||
+ | *** 雑な説明 [#xe58b860] | ||
+ | -結局のところ、これはAPI呼び出しCALLを5回やって、5つのAPIを実行しているだけです。 | ||
+ | -OSASKのAPIでは、必ず最後に終了ファンクション0x0000があります。これを書かないと、その次も通常ファンクションだとみなされます。逆にこの例の場合、5つのファンクションをつなげることもできるわけです。そうすればCALLは1回で済みます。 | ||
+ | -ファンクション0x0004は、[[gg00man/others]]の''lib_init''に相当します。 | ||
+ | --naskでの呼び出しでは、0を指定したら自動malloc、というサービスはありません。 | ||
+ | -ファンクション0x0020は、[[gg00man/window]]の''lib_openwindow''に相当します。 | ||
+ | --naskでの呼び出しでは、0を指定したら自動malloc、というサービスはありません。 | ||
+ | -ファンクション0x0028は、[[gg00man/text]]の''lib_opentextbox''に相当します。 | ||
+ | --naskでの呼び出しでは、0を指定したら自動malloc、というサービスはありません。 | ||
+ | -ファンクション0x0040は、[[gg00man/text]]の''lib_putstring1''に相当します。 | ||
+ | --optのbit14が0になっているところが違いますが。 | ||
+ | -ファンクション0x0018は、[[gg00man/signal]]の''lib_waitsignal''に相当します。 | ||
+ | -それぞれについてパラメータの意味などは上記の説明を参考にしてください。 | ||
+ | |||
+ | *** もっと詳しく説明してくれー [#kb19841c] | ||
+ | -そのうちやるかもしれません。このページは長くなったので別のページで。 | ||
+ | -ほかのAPIとかも。 | ||
+ | --続編:[[guide/wintro0000]] | ||
+ | ~ | ||
+ | ~ | ||
+ | -待てない人のための参考資料: | ||
+ | --I.Tak.さんのAPI資料: http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~t40370/osask/p0cref.html | ||
+ | --[[GUIGUI00_man]] | ||
+ | |||
+ | * こめんと欄 [#e89ccf35] | ||
+ | -直ってしまったので、勝手に修正してしまいました。コメントアウトしてあります。 -- ''Zakky'' SIZE(10){2004-12-11 (土) 20:23:30} | ||
+ | -どうもありがとう。助かりました。 -- [[K]] SIZE(10){2004-12-11 (土) 20:52:16} | ||
+ | -とりあえずこんなものでどうでしょうか?>nikaさん リクエストがなければこの先は書かないでおきます。 -- [[K]] SIZE(10){2004-12-12 (日) 00:06:53} | ||
+ | -ありがとうございます。とりあえずいい感じです。 -- ''nika'' SIZE(10){2004-12-12 (日) 08:27:30} | ||
+ | -ほとんどDOSでしかやった事無いので、できれば具体的なこの先をリクエストしておきます。 -- ''nika'' SIZE(10){2004-12-13 (月) 02:47:57} | ||
+ | -続編作りました。> [[guide/wintro0000]] この先も、たまに続きを書きますね。 -- [[K]] SIZE(10){2004-12-13 (月) 16:40:05} | ||
+ | -naskでAPI引数が分かりにくいと思う人は, nasmでマクロを使おう! と言ってみるテスト。私のnasmアプリはほぼ全てそう。 -- [[I.Tak.]] SIZE(10){2004-12-17 (金) 11:54:54} | ||
+ | -tolset08を前提に改訂。 -- [[K]] SIZE(10){2005-01-28 (金) 22:49:31} | ||
+ | //#comment |
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