[osask 6782] Re: Jenny2

  こんばんは、川合です。


KOYANAGI, Masaaki さんは 2003/12/14 20:46:28 の「[osask 6781] Re
: Jenny2」で書きました:

>現在のOSASKカーネルではグラフィックボックスで「高速」モードを選択する
>と、
>n系アルゴリズムが選択されて、色の再配置が行われます。
>この場合は「減色」という定義からは外れます。
>
>「減色は選択した色群(パレット)を使用して各ピクセルの元の値からの誤差
>を小さくする変換である」という定義について、川合さんは納得して
>いただけますか?

  この定義は、僕の理解とはあいません。本当にこんな定義なのでしょ
うか。

  もちろんこのような減色もありますが、たとえば自由なパレットを30
個与えて、そのパレットのRGB値を決めつつ、処理をする場合もあるよ
うに思います。そのような処理は、この定義の外になってしまいます。

  また元の絵からの誤差を小さくする変換とした場合、何をもって誤差
とするのでしょうか。RGB値ですか?それとも明度や色相?それともま
た別の指標?

  僕は僕なりに元の絵に近づけようとしています。それを減色でないと
言い切るには、もうちょっと説明がほしいです。

  僕は「減色」という言葉は、アルゴリズムを規定しないと思っていま
した。例えば、グレイスケールにするのも減色の一種だと思っていまし
た。グレイスケールではRGB値的に一番近い色を選ぶのではなく、明度
が近い色を選んでいます。

---

  僕は言葉の細かいことを突っ込むのは嫌ですが、n系アルゴリズムが
選択されるかどうかは「OSASKカーネル」が決めているわけではないの
で、そこでカーネルという語を使うのは不適切です。ビデオドライバで
すかねえ。

  また、高速モードを選んでも、「色の再配置」が行われるとは限りま
せん。高速モードであってもなくても、画面モードとグラフィックモー
ドの色数が不一致だと、「色の再配置」が行われます。

  ・・・とこのような細かいことにこだわっても、無益です。僕は、以
上の点で小柳さんを非難したいのではありません。不適切な言葉であっ
ても僕は小柳さんが言いたかったことが分かっています。だから問題あ
りません。

  僕は言葉をそのまま解釈するのではなく、何を言おうとしているかを
読み取ります。もし言葉の使い方に食い違いがありそうだと思えば、誤
解ではないかとたずねて確認します。・・・むしろ、少ない言葉で正確
に表現できることのほうが稀(まれ)であると僕は考えているので、言
葉にこだわることなく、できるだけ複数の方法で同じ事を説明しようと
思うくらいです。正確な言葉にこだわりすぎたら、書くペースはお互い
に大いに下がり、議論は停滞するでしょう。

  だから僕は、言葉をもっと慎重に選ぶべきだという小柳さんのアドバ
イスは、この件についてはあまり適切だとは思っていません。

---

> 私と、I.Takさんは「減色」のアルゴリズムについて話していたのですが、
>川合さんは n式色調変換アルゴリズムについて話しているので話が
>かみ合わないわけです。

  そうなんですか?>I.Tak.さん

  僕はずっと、次のことを議論しているのだと思っています。

・僕の主張:n系とi系を比べて、どちらが高品質だ、とは言えない。各
            自の好みがある。

・I.Tak.さんの主張:n系とi系を比べると、i系の方が高品質である。
            これは主観ではなく、客観的な根拠がある。

  ↑これは[OSASK 6747]にあります。

  それで、I.Tak.さんのその根拠とは、「飽和」であるということでし
た。僕も、「もしn系で飽和があったら、I.Tak.さんの主張は正しい」
ということで合意しました。

  しかし、I.Tak.さんが、これこそ「飽和している根拠だ」として示し
たものに対して、僕としてはそれは飽和したとはいえないのではないか
、と指摘しました。I.Tak.さんの主観として「これは飽和している」と
いう主張は、まあ分からないでもないですが、客観的に見ると、これを
飽和の証拠と認めるのは無理があるんじゃないか、というのが僕の見解
なのです。

  それだけのことです。

  追加的なことをいうと、I.Tak.さんとしては、リニア性が高いほうが
高品質だとしたいようです。僕も、i系アルゴリズムのほうが、僕の求
めるレベル以上にリニアであることは認めます。しかし、僕はリニアで
あることが高品質だとは思っていません。・・・むしろ情報の損失が少
ない分だけ(=全ての色の出現率が均等な分だけ)、n系のほうが高品
質といえるのではないか、と思ってしまうくらいです。

  しかし僕は、n系のほうが優れているという主張をするつもりはあり
ません。客観的な優劣は決められない、主観によるだろう、という立場
です。

>OSASK ver.4.3 以降の pioneer のリファレンスでは、「グラフィックボックス
>で
>「高速」モードを選択するとn式色調変換アルゴリズムが使用され、暗いものは
>より暗く明るいものはより明るくする変換が行われます」としっかりと
>説明しておく必要があります。なぜなら、この時に「減色」という定義とは
>異なった処理が行われるので「減色」という表現だと使用者が誤解するからで
>す。

  その辺は、どちらでも僕は構いません。

>リニア(線形)という言葉が数学で定義されており、川合さんが定義と異なる
>使い方をしたのですから、不用意に使ったことになります。
>議論する以上、数学を始めとする学問で定義された言葉で話すことは必要だと
>川合さんは思いませんか?

  思います。

  率直に言ってお詫びしたいです。

  ただ、確認させてください。

>>   ここで僕が言いたかったリニアは、「0123456789abcdefを、逆順にし
>> たり、波打たせたりするような変換ではない」という意味合いでしか使
>> っていないつもりです。僕がどんな意味合いで、リニアという語を使っ
>> たのかということを無視して、リニアという語にこだわっても、何にも
>> なりません。僕が「それは違うよ」と言えば違うのです。そこに固執し
>> ていては、実りのない、ただの揚げ足とりになりかねません。
>> 
>>   ただし、その場合、僕が誤解を招きうるような表現を最初に使ったの
>> は、責められるべきです。でも、代わりに何というべきだったのかの、
>> アドバイスもほしいですが。この文脈では、とりあえずリニアと言って
>> おくのは、結構妥当だと思うんですが・・・。
>
>川合さんが正しく状態を言い表さなかったことに問題があります。
>「単調増加」あるいは「γ値 < 1 の変換」などの言葉を使う
>必要がありました。

  それは、僕のいいたいことをやっぱり的確に表わしていない気がしま
す。説明が長くなることを許してもらえるなら、僕は次のようなものを
指し示しているつもりでした。

    実数値関数として「f(x) = a * x」で変換されるようなもので、こ
  れを整数値へ丸める変換。この場合整数への丸めの手法は規定しない
  (だから切り捨てでも四捨五入でも切り上げでも、その他の方法でも
  よい)。

  また僕の認識では、そもそも丸めを伴うような階段状の関数に、「リ
ニア」などという表現が適当だとは思っていませんでした(線形量子化
を知らなかったのです)。だからここでいうリニアが数学用語とは十分
に一致していないことは当然分かってもらえると思っていました。つま
り、僕がリニアを主張しているのは、丸め前なのです。だから表現上の
問題はなかろうと思ったのです。

  小柳さんとしては、今までの僕の説明を全部無視して、[OSASK 6780]
の説明だけで「単調増加」と言われたと思うのですが、僕は「波打たな
い」というところに、カーブしていないという意味合いも込めたつもり
だったのです(それは今まで十分に書いてきたことだったので)。だか
ら、単調増加というのは僕のいいたいこととは違います(必要ではある
が、十分ではない)。・・・しかも、これは書き忘れましたが、基本式
としては原点も通ることを想定しています。

  それで確認ですが、整数論でリニアという語があるんでしょうか。つ
まりi8は整数から整数への変換であって、しかも丸めを伴っています。
そういうときにリニアという言葉を普通に使っていて、それは線形量子
化を意味するのでしょうか。後学のために、教えてください。


  それでは。

--
    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/

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