[osask 7002] 8月の予定と「最後に」欄.

  こんばんは、川合です。

  とりあえずstk1/stk2/stk5の仕様が確定して、さあKHBIOSへと行こう
と思っているのですが、現状を見渡すと中途半端なものがたくさん残っ
ているのが気になります。

  ・sartol関係
      ディレクトリのサポートがまだない
          (仕様は既にできているんですが。)
      1ファイル展開をサポートしていない
      ファイルリストを得るなどもできない
      そもそもsartolはもとが余興だったこともあり、ソースが汚い
  ・tek関係
      マルチブロックのサポートができてない
      補助バッファ利用モードのサポートもできてない
      tek5用の拡張部分も書けてない(註)
  ・その他
      最新版qemuや新tekやsartolなどに対応した、osa_dir3相当のも
        のを作りたい
      osask.jpのページを少しは整理したい
      tolsetのバージョンアップもしたい

  他にもいろいろやり残している事があるんですが、tek関係でかなり
気にしているのはこんなところです。

  最近は暑くて集中力が落ちていることもあり、そういうときだからこ
そ、こういうこまごましたことを片付けていこうかなと思っています。
こまごまとしたことなら集中力が落ちていてもできますし、前もって片
付けておけば、そのあとは心置きなく前進できそうです。

  ということで8月は、上記をメインにして、9月からKHBIOSにしようと
思っています。

  それを踏まえて、readme46用の「最後に」欄は、こんな感じでお願い
します。>I.Tak.さん    間に合わなければ、僕が自分でいれますので
気にしないでいいです。
 
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  今回の最大のみどころは、OSASKで利用可能な圧縮フォーマットが、
3種類も追加されたところでしょう。追加された3形式は、今までのtek0
と比べて、圧縮率と展開速度の「バランス」という点でずっと優れてい
ます。・・・これはKHBIOS関係の開発のおまけみたいなものですが、単
なるおまけで済ませるにはもったいないほど、OSASKの性能が改善しま
した。

  このフォーマットに到達するためにかなり試行錯誤を繰り返したため
追加されたコード量の割には、長い開発時間が掛かってしまいました。
実際追加された展開ルーチンはわずか2KBほどでしかありません。

  さて次バージョンですが、夏の暑さも考慮に入れて(?)、この圧縮
形式に関するやり残した拡張や、関連ツールの充実という軽めの予定で
す。一般公開は9月中旬を予定しています。

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  (註)

  tek5の拡張というのは、主にstk1/2や旧stk3/4には導入されていた技
術のことで、今のstk5にはそのうちの一つしか入っていません(という
か、LZMAに対してそういう拡張がほとんど入っていないのがstk5だとい
うことになっています)。たとえばstk5では、完全にランダムでLZ圧縮
も文字出現頻度による圧縮も効かないようなデータが長く続くと、なん
とstk1よりも悪い圧縮率になります(もちろんstk2やLHAにも負ける)
。・・・これはLZMAの欠点をそのまま引き継いでしまった点といえるで
しょう。これを克服するための仕組みは既に検討済みで、今のstk5との
互換性を何ら損なうことなく、追加的に導入できます(というか、stk5
を決める時点でその部分をリザーブしておきました。もちろん、これを
使ったものはstk5ではなくtek5ですので、stk5用の展開ルーチンでは展
開できませんが)。

  もちろん通常の使用ではこのようなデータが出てくることはあまりな
いので、LZMAの開発者たちは問題にしなかったのでしょう。しかし、た
とえばすでに圧縮済みのファイルを含むアーカイブを圧縮するときには
(例:.lzhファイルが含まれるアーカイブとか)、まさにこの問題に直
面します。OSASKアプリも部分的に二重圧縮の個所がありますので、実
はこのサポートで圧縮率はさらに(すこしだけ)改善するでしょう。

  またLZMAでは、圧縮対象の統計的性質がファイル全体を通じて変化し
ないことを前提にしており、これはsarやtarでアーカイブを圧縮する場
合に、ひどく損をします(ディスクイメージでも同じ)。アーカイブに
限らずとも、ファイルの途中で統計的性質が変わるのはそう珍しいこと
ではないので、このサポートでさらに圧縮率が改善できるでしょう。し
かし問題もあって、今のところどのタイミングで切り替えるかを圧縮ル
ーチン側が判断できません(判断させるアルゴリズムを思いつけていな
い)。ということでこのサポートによって、すぐに圧縮率が改善すると
いうことは残念ながらありません。将来、圧縮ルーチンがかしこくなれ
ば、メリットが出てくるでしょう。

  それでは。

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    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! osask.jp
Homepage http://osask.jp/

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