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[OSASK 1959] 中期開発計画(Re:OFF会の報告).
- Subject: [OSASK 1959] 中期開発計画(Re:OFF会の報告).
- From: Hidemi KAWAI <kawai !Atmark! imasy.org>
- Date: Tue, 28 Aug 2001 11:05:31 -0000
こんばんは、川合です。
Koyanagi Masaaki さんは 2001/08/28 17:30:01 の「[OSASK 1957] Re:
OFF会の報告」で書きました:
>> この現状では、OSASKにとって、TOWNSエミュレーターよりもwin32コ
>> ンソールのエミュレーションを先にやったほうがよいのではないかと思
>> っています。いかがでしょう。
>私は残念ながら賛成できません。
いえ、別に残念ではないでしょう。僕としてはどっちにしようか迷っ
ている段階で、とにかくみなさんのご意見を伺いたいのです。
小柳さんのご意見はよく分かりました。ありがとうございます。
> 「うんづ」はまだ試していないのですが、速度は現在のところ
>PentiumIII800MHz で 386DX 16MHz くらいのようです。
>これが、開発が進んでたちまち今の3倍,5倍と速くなるとすると、
>ここで私が書いたことの一点目は、利点ではなくなってしまいますが。
いや、そうでもないでしょう。800MHz上なら、こちらは200MHz相当く
らいは出せるのではないかと踏んでいます。ですから、10倍くらい速く
ならないかぎり、速度面でのアドバンテージは揺るがないと思っていま
す。
> OSASK/TOWNS の開発開始を OSASK/AT の基礎ができてからとした川合さんの
>判断は正しかったと思います。OSASK/TOWNS をこれだけ早く移植できたのも、
>川合さんにTOWNSに関するノウハウが十分にあるからです。それなのに TOWNS
>エミュレータを後回しにするのはもったいないです。
僕も、今ではOSASK/ATを先に作ったのは正解だったと思っています。
でもその理由は小柳さんとは違うかもしれません。
もし、OSASK/TOWNSを先に作れば、カーネルの開発はもっとテンポよ
く進んだでしょう。なぜなら、ハードウェアのコントロール方法の修得
に苦労しないで済むだろうからです。そしてその後にAT版への移植をす
れば、結局は今と同じくらいの時間がかかっただろうと思います。
しかしTOWNS版とAT版とでは、世間一般での注目度が劇的に違ってい
ました。たとえば、オープンソースまつりでTOWNS版しか用意できなけ
れば、あれほどの反響を集めることはできなかったはずです。ですから
AT版の開発を急いだことは良かったのではないかと思っているのです。
---
8月に入ってから、OSASKへの関心は明らかに二分されつつあると感じ
ています。
1.高性能エミュレーターの集合体としてOSASKに関心がある
2.純粋なOSとしてOSASKに関心がある
今までは、ほとんどの人が1.に属していました。しかし最近になっ
てようやく2.の人が出てきたんです。極論すれば、2.の人はエミュ
レーターがなくてもOSASKに好意を感じているのです。
1.の人を引き付けるには、何でもいいからエミュレーターを確実に
作ることが効果的だと考えています。一方、2.の人に報いるにはOSAS
Kアプリケーションの開発環境の整備が有効でしょう。
僕は、着実に増えつつある1.の人の期待を裏切りたくはないという
気持ちと、せっかく現れた2.の人に愛想を尽かされたくはないという
気持ちの間にいます。
---
どちらにしても、IA32のエミュレーターコア部分を最初に作ることに
変わりはなく、それが終わるまでにどういう方針で行くのかを決めれば
いいのです。まだ時間はあります。ですから、たくさんのご意見を伺い
たいと思っています。よろしくお願いします。
それでは。
--
川合 秀実(KAWAI Hidemi)
川合堂社長 / OSASK計画総指揮 / カーネル開発班
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/