[OSASK 5814] BOARD: IPA 向き説明

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2003/03/16 11:50
川合秀実

[OSASK 5812]へのレスです。

  SHさんの分析を踏まえて、IPA向きのストーリーを考えてみたいと思います。
ええとその前に、以下の分析についてコメントさせてください。

>個人的な感想ですが、川合さんが力を入れてアピールされている
>部分は○に位置付けられるのではないかと思います。
>          技術に関心がある
>             ↑
>           ○ |
>経済的自立度が低い ←ーー+ーー→ 経済的自立度が高い
>             |
>             ↓
>          利用に関心がある

  これはこれでいいのです。僕はOSASKコミュニティに対してKHBIOSを売り込ん
でいたので、「経済的自立度が低い」人でも納得できるような説明を中心にしま
した。また、技術的な話題は、コミュニティが「なるほどこれなら川合がいうと
おり短期間の開発でできそうだ」という認識に確実に到達してもらうためです。
どんなに利用形態がすばらしくても、僕の開発速度を考えたらどこまで期待でき
るか分からなくなってしまうでしょう。また短期間でKHBIOSが仕上がらなかった
ら、OSASK開発が長期停滞してしまうことにもなり、それもコミュニティとして
は納得がいかないだろうと思ったのです。

  さて、以下はIPA向きのストーリー案です。

---

1.デジタルデバイド

  ファミコンは使えたがパソコンは使えない、ワープロは使えたがパソコンは使
えないという人はいる。この層の人たちはアプリケーションは使いこなせるが、
OSの操作ができないか、もしくはOSの操作を極度に嫌っている。嫌われるOS操作
のリストアップしてみるとこうだろう。
  ・マルチユーザOSの場合のログイン動作
  ・アプリケーションの起動作業
  ・誤って操作して、見なれない画面が出たときの対処
  ・アプリやOSのインストール・アンインストール作業

  これらの問題を解決するには、シングルユーザ前提で、OSの起動と同時に特定
のアプリ(もしくは、選択肢が5個以内のアプリメニュー)が起動して、もはやバ
ージョンアップも、追加インストールもできないような、そういうソフトウェア
を開発し、それをプリインストールしたパソコンを販売すれば、もちろん解決で
きる。しかし、今やパソコンに求められる目的は5種類では到底カバーできない
。web閲覧、メールの読み書き、ホームページ作成、ワープロ、表計算、プレゼ
ンテーション・・・。さらに、バージョンアップも追加インストールも全くでき
ないというのは、購入者にとって非常に不安である。その上、ハードウェアのコ
ストは「普通のなんでもできるパソコン」と何ら変わりなく、販売価格も同じ程
度にしかできないだろう。このようなパソコンはあまり売れないだろうし、だか
らこういうパソコンを積極的に製造しようというメーカもない。そして結局デジ
タルデバイドは解消しない。

2.CD-ROMブート

  近年のパソコンにはCD-ROMブートというものがある。これはOSのインストーラ
でよく使われる。これはリムーバブルメディアからのブートという意味で大変す
ばらしいことである。なぜなら、リムーバブルメディアからのブートこそ、デジ
タルデバイドを解消しうる可能性があるからである。

  もしリムーバブルメディアからのブートを前提にするなら、先のようなソフト
ウェアをリムーバブルメディアに入れてしまえばいいということである。そして
もはや5種類のメニューもいらないだろう。ユーザは自分のやりたいことにあわ
せて、メディアをセットして電源を入れるだけである。使いたいソフトが増えた
ら、そのソフトがインストールされているメディアを購入すればそれでよいし、
いらなくなればそのメディアごと破棄してしまってよい。まさにファミコン感覚
である。・・・さらに従来通りのパソコン操作になじんだ私たちは、そういうOS
がインストールされたメディアをセットして起動すればいいだけのことである。

  デジタルデバイドの解消という面ではないが、CD-ROMからインストーラを起動
するのではなく、そのままOSを起動できるという実例で一番分かりやすいのは「
KNOPPIX」だろう。

3.コンパクトフラッシュ

  そもそもリムーバブルドライブからのブートといえば、初代のAT互換機からず
っとサポートされてきたメディアがある。それはフロッピーディスクである。し
かしフロッピーディスクはアクセスが遅い上に容量があまりに小さく、その上、
信頼性という点でも不安がある。

  そこに現われたのがCD-ROMブートであり、容量の問題もアクセススピードの問
題も信頼性の問題もほぼ克服できるようになったといってよい。しかし、CD-ROM
だとリードしかできず、作成したワープロの文章や表計算データを保存させると
したら、また別のデバイスが必要である。また電源OFFの状態でメディアの交換
ができない機種も多い(これはCD-ROMを入れ替えてスイッチONというファミコン
スタイルの実現の足かせになる)。

  ここで私はコンパクトフラッシュというメディアを提案したい。もちろん現状
では、コンパクトフラッシュからブートできるパソコンは本当に数えるほどしか
なく、その意味で全く現実味がないのであるが、それをいったん保留にしてコン
パクトフラッシュからブートできるとしたらどうなるかを述べさせてほしい。

  コンパクトフラッシュは名刺の大きさの1/3ほどの大きさで、フラッシュメモ
リによるストレージデバイスである。リードもライトも高速にでき、ノートパソ
コンならわずか500円ほどのアダプタを付ければPCカードスロットにセットして
アクセスできるし、デスクトップパソコンも1,000円ほどのアダプタを付けるこ
とでUSBデバイスとしてアクセス可能である。問題は、記憶容量あたりのメディ
アのコストが高いことであり、128MBのメディアが4,500円ほどである。しかし、
32MBであれば1,600円ほどであり、もしこの容量で収まるのであればメディアの
コスト問題は何とかなるだろう(なお、64MBなら2,500円)。

  コンパクトフラッシュはフロッピーディスクとCD-ROMの中間ほどの記憶容量で
電源OFF状態でメディアの交換ができ、かさばらない。ブートデバイスとしては
理想的なメディアである。他のフラッシュメモリデバイスに比べると、規格上の
容量の上限が途方もなく大きいこと(原理的にハードディスクと同じ容量までカ
バーできるため)、単なるストレージデバイスを超えてネットワークカードなど
の拡張カードスロットとして流用できるなどの点で拡張にすぐれ、今後も長く互
換性を維持したまま発展していくだろうと思われるからである。動作音が静粛で
あり、衝撃にも強く、消費電力も小さい。どの点もパソコンのデバイスとして理
想的である。

  (つづく・・・)



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