このメールは、OSASK伝言板に書き込まれた内容です。 この書き込みに返事を書く場合は、下のURLから書き込みを行なって下さい http://www.imasy.org/~mone/osask/index.cgi?REFER=3ed2ed9d_16384 2003/05/27 13:46 SH > 「単一レベル記憶」という語がどれほど一般的なのかを調べてみましたが、僕 >が検索した範囲では、IBMのAS/400の記憶管理アーキテクチャを直接指している >ようでした。そしてAS/400における「単一レベル記憶」を調べれば調べるほど、 >これは単にAS/400におけるメモリマップトアクセスの実装名なのではないかと思 >えてきます。 単一レベル記憶というのは仮想記憶の開発者が論文で使った言葉のようです。 仮想記憶が登場する前は、スワップ処理などアプリケーションプログラマが意識し なければならなかったようですが、仮想記憶によりアプリケーションプログラマは スワップ処理を意識することなくアプリケーションを開発できるようになりました。 そのことから、仮想記憶開発者の論文には「仮想記憶によりあたかもメモリが単一 レベル記憶であるかのように見える。」との記述がありました。 AS/400の開発者はPowerPCという64ビットプロセッサの開発にも参加し、そこで64ビッ トで表現できる広大なアドレス空間(16エクサバイトだったかな?)の仮想記憶 領域にファイルシステムをマッピングしてしまえ!という発想を思いつきました。 これがAS/400の仮想記憶の実装です。 AS/400の開発者は仮想記憶の開発者に敬意を表し仮想記憶の実装に”単一レベル記 憶”という名前をつけたようです。したがって川合さんのおっしゃるように実装名 というのは正しいです。ただ、先に述べました仮想記憶開発の歴史的経緯から”記 憶を単一的に扱おうとする設計”という概念でもあるかと思います。 そういった考え方の基、”単一レベル記憶という用語が一般的”だと書いたわけで すが、一般的かそうでないかはとりあえず議論するネタとしては最低なので、”単 一レベル記憶っていう考え方があるよ”程度に捉えてくれるとうれしいです。 > AS/400では単一のスワップファイルが存在しないのでしょうか?メモリレスア >ーキテクチャが単一レベル記憶と同義であるかどうかは、第一にそこにかかって >いると思います。 仮想記憶のアドレス空間にファイルシステムをマッピングするという考えなので 単一のスワップファイルなどは不要です。 > 「メモリ透過」についてはなるほどと思いました。「透過」と言えば、実際は >あるんだけど見えないというニュアンスが伝わります。実際OSASKといえどもメ >モリを使っていないわけではないので、この方が正しいといえるかもしれません。 >・・・ > この辺の事情を考えると、「透過」よりは「レス」のほうがイメージに近いよ アプリケーションからカーネルを見た場合、メモリレスだと思いますし、 カーネルがメモリをどのように扱うかを見た場合、メモリ透過だと思います。 この辺は、開発者がどのようにイメージするか、という事かと思いますので、川合 さんのイメージであるメモリレスでも良いかと思えてきました。