こんばんは、川合です。
FORM-Akkie さんは 2003/10/12 15:31:59 の「[OSASK 6554] FORM: OSA
SK を知りました」で書きました:
>さて、そのページを見ると、OSASKの方針として
>効率性の追求ということが言われています。
>反面、OSASKはエミュレータOSだとも言われているようです。
>私は疑問に思ったのですが、この「効率性」と「エミュレーション」は両立するのでしょうか?
はい、両立します。たぶん、「エミュレータOS」の意味を誤解なさっ
ていると思います。
「エミュレータOS」については、
http://www.imasy.org/~kawai/osask/boyaki.html
で定義されています(2003.08.20号)。
それと、効率が重視されているのは、エミュレーション時ではなく、
ネイティブ実行時です。もちろんエミュレーションであっても、かなり
の速度を出したいと考えています。しかし、OSASKアプリをネイティブ
で動かすのが一番速いのです。
エミュレータOSというのは、すべてのアプリケーションをエミュレー
ションで実行するというものではありません。エミュレータで知られて
いる技術を組み込んだOSで、ネイティブアプリケーションもちゃんとあ
ります。もちろん、既存のOSのアプリケーションもエミュレーションに
よって実行する機能も有しますが、これは「互換性提供のための手段」
であって、本当の姿では在りません(Windows上でMS-DOSアプリを動か
しているようなものです)。本当の力はネイティブアプリケーションを
実行したときに発揮されます。
>OSASKがエミュレーションOSになることによって、効率性が最優先(?)
>のOSASKが、UNIXにスピードで負けてしまうというような事態にはなら
>ないのでしょうか。
OSASKのLinuxエミュレーション vs Linux → たぶんLinuxの方が少し速い
(→ ひょっとしたらOSASKのLinuxエミュレーションのほうが速い)
OSASKのネイティブ vs Linux → OSASKの方が十分に速い
OSASKのLinuxエミュレーション vs 他のOSでのLinuxエミュレーション
→ OSASKのエミュレーションのほうが十分に速い
・・・のようにしたいというのが、エミュレータOSの意味するところで
す。
OSASKにあっては、ユーザは次の選択肢を選べることになります。
1.他のOSのアプリをそのまま実行する。
→ 手間は要らないが、あまり速くはない。とりあえず実用的な
速度くらいは出る。
2.他のOSのアプリをOSASKアプリに移植する。
→ それなりに手間はかかるが、とても速くなる。
エミュレータOSでいうところの効率は主に「2.」のことを指してい
て、「1.」のときの速さはそれほど重要ではありません。効率がほし
いなら移植すればいいのです。
それでは。
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川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/