[OSASK 6574] Re: OSASKを知りました

  こんばんは、川合です。

  松田さんのおっしゃりたいことは分かるのですが、明らかにhu-goさ
んが話の方向をおかしくしている部分があるので、そこだけレスします
。


FORM-Akkie さんは 2003/10/16 20:52:25 の「[OSASK 6572] FORM: Re:
 Re: OSASK  を知りました」で書きました:

>>>何故なら、どんなOS(Windows,Mac,Linux...)でも出来るだけ軽くなる
>>>ように実装するのは当然のことだからです。
>>実際はとてもそうであるようには思えません。
>それは絶対にないと言い切れます。
>自分の作っているOSを、意図的に重くしようと企てる人が存在すると思いますか?

  失礼ながら、hu-goさんはこの分野に対する考察が足りません。

  もちろん、わざと重くする人はいません(ひょっとしたらおられるか
もしれませんが、それを論じるのは本論から外れるので省略します)。

  意図的に重くしているのではなく、他のことを優先しているのです。

  たとえばOSに100の機能を実装しなければいけないとしてください。
WindowsやLinuxは、それら機能的な実装を急ぎます。できるようにする
ことが何よりも大事です。きっとセキュリティにも配慮するでしょう。

  でもそれで終わりなのです。彼らは効率を上げるべきだという視点を
持ちません。だから、大きくて遅いのです。効率をよくする構造を考え
るのには多くの時間とテストを要します。そんなことをやる必要性を感
じていないと思います。

  OSASKではそういう開発スタイルをとりません。実装が遅れても、効
率面で納得の行く構造が分かるまでは、次の機能の実装に入らないので
す。・・・だから同時に開発をスタートしても、Windowsなどが100の機
能の実装終えた頃、OSASKはまだ30くらいでうろうろしているかもしれ
ません。

  僕はhu-goさんが、LinuxやWindowsやMacOSのプログラマを暗にけなし
ていると思っています。彼らは、「やろうと思えば」これらのOSを小さ
くて速くできます。興味がないから、そして他に優先してやるべきこと
がたくさんあるから、やっていないだけなのです。せいいっぱいやって
この結果になったのではありません。

>>互換性を捨ててすっきりする道を選ぶこともできたはず
>互換性を持ったまますっきりする道を選ぶのがベターでしょう。

  さようですか。タイトルにもかかわらず、ぜんぜんOSASKを知ってお
られないようですね。

  先日お知らせした以下のページはご覧になりましたか?基本ですよ。
    http://www.imasy.org/~kawai/osask/boyaki.html

  OSASKでは互換性を捨てることこそ最初の前提であり、それがエミュ
レータOSの出発点なのです。互換性を捨てない範囲の結果に満足できる
なら、OSASKのことは忘れて、是非そのまま他のOSをお使いください。

  ついでに書いておくと、OSASKは、OSASKの過去のバージョンとの互換
性もありません。OSとしての互換性がなくても、アプリケーションの実
行には問題がないため、常にベストの構造を追求できます。

>エミュレーションしやすいAPI構造というのは本質的に無いでしょう。

  あります。hu-goさんは自分の知識のないことを断言できるかたなの
ですね。

  hu-goさんはエミュレーションに詳しくなさそうなので、少しだけ紹
介しておきます。分かりやすいところとして、こんなのはどうでしょう
か。

  1.APIの総数を減らす。
  2.できるだけ高次の機能を提供する。

  1.については説明の必要はないと思うので省略して、2.ついて理
由を説明しておきます。たとえば、点を打つAPIさえあれば、原理的に
どんな描画もできるからそれでよいということは可能ですが、これはエ
ミュレーションするときには不利です(エミュレーションじゃなくても
不利ですが)。だからこれに加えてラインを引くとか、長方形領域をフ
ィルするなどのAPIを持っていれば、エミュレータはこのコマンドを認
識した時点で自分の中のネイティブルーチンで描画するので、エミュレ
ーション効率がよくなります。

>川井さんは数値計算に向いたAPI構造、マルチメディア処理に向いた
>API構造.....があると思っているのかも知れませんが、それは間違い
>です。

  思っていません。ばかばかしいのでこの部分のレスはこれだけです。

>あらゆる局面において速いAPIとは、BIOSな訳ですね(笑

  笑と書かれていますが、どこが面白いのかさっぱりです。BIOSを呼ぶ
よりも高速にディスクに読み書きできるAPIや、BIOSよりも高速にグラ
フィック描画できるAPIはたいていのOSにあります。

>ページキャッシュの扱い方、メッセージキューの方式、コールゲート
>の使い方.....などあらゆる議論がされていますよ。

  本当ですか!?・・・これらは、Linuxではこうしているよ、という
説明ではなくて、こういう理由でLinuxの実装はこうなった、みたいな
OS開発レベルでのまともな議論なのですね?

  失礼ながら、「それであの効率かよ・・・」という想いを抑えられま
せん。僕は彼らを尊敬しているので、今のところは申し訳ありませんが
hu-goさんの勘違いだと信じることにします。

---

  率直に言って、僕は最近のhu-goさんの書き込みに不信感を覚えます
。hu-goさんは本当に単なる質問をなさりたいだけなのか、それとも、
質問という形式でOSASKというOSを批判なさりたいのか、それが分から
なくなっています。

  OSASKは作るだけ無駄、どうせ作っても既存のOSを越えられない、的
なことをおっしゃりたいのでしたら、以下のことを論証しなければなら
ないと警告しておきます。

・僕は「絶対にできる」という立場をとっておりません。「やってみな
  ければ分からない」です。それに対して無駄というからには、できな
  い証明が必要です。この証明は極めて困難です。

・また今のOSASKがこのような高い性能を有する理由も、あなたの理論
  だけで説明できなければいけません。これもほとんどのかたはできま
  せん。・・・機能が少ないからというのが定番ですが、これだけの機
  能であっても、今のOSASKのサイズと速度に収められる設計ができる
  かたはごく一部です。そしてこの理由を説明できるかたは、どなたも
  OSASKの可能性を支持なさっています。

  今まで多くのかたが、OSASKにたいして「作るだけ無駄」的なことを
主張しようとして失敗してきました。同じ失敗が繰り返されないことを
願います。


  それでは。

--
    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/

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