こんにちは、I.Tak.です。 From: Hidemi KAWAI <kawai !Atmark! imasy.org> Subject: [osask 6809] Re: Jenny2. Date: Mon, 22 Dec 2003 01:17:50 +0900 > ・「誤差という観点でも、等高線が入る位置はi系ではなくn系がベスト > である」という主張が可能であるという指摘。>主にI.Tak.さん向け 要するに絶対誤差はパレットを最適化したn系の方が小さいよ、という ことですね。 絶対誤差よりも相対誤差の方が重要であるというのが私の考えです (普通の人ならそう考えると思いますが)。だから川合さんの指摘は私には いささか的外れであるように思えます。 例えば、10cm±1cmと1.00m±2cmでは、絶対誤差が小さいのは10cm±1cm の方ですが、精度が高いのは1.00m±2cmの方です。そういう意味で、絶対 誤差の大きさにはほとんど意味がありません。 n系でパレットを最適化した場合、確かに絶対誤差は小さくなりますが、 同時に出力振幅 (←出力の交流成分の振幅をそう呼ぶことにします) も小 さくなります。例えば2階調出力なら、出力振幅は64になってしまいます。 それで、「パレットを最適化した二階調n系」と「パレットを最適化した 二階調i系」はS/N比が同じで3です。教科書どおりに2乗平均を計算すれば 分かります。 S/N比を最大に保ったまま出力振幅を最大にしたのがi系なのです。 分かっていただけますか? > もしn4でパレットの値を0x40と0xc0にすれば、さらにn8でパレットの > 値を0x20・0x60・0xa0・0xe0とすれば、小柳さんや、相対誤差に目覚め > る前のI.Tak.さんは、(高速モードに関しては)大いに満足すると思わ > れます(ただし、I.Tak.さんは他の点で異論があると思います。n4で中 最初から、誤差というのは特に断らない限り相対誤差のことだと思って いましたが。普通、誤差は小数点以下何桁のところにあるか分かるように 書きますからね。3.14±0.01×10^3 といったぐあいで。 > 以上で、「パレットの設定以外の面では、n系は絶対誤差最小といえ > る」という説明は終わりです。 相対誤差を最小に保ったままで出力振幅が最大になり、しかもタイリング の細かさによらないでパレットを最適に設定できるのがi系です。高速モード と非高速モードのどちらを優先してパレット設定するべきかなど悩む必要は ありません。 結局最適なパレットに設定しないのであれば宝の持ち腐れです。 > しかし実際問題としては、n4では減色専用のパレットを用意すること > ができないので(それはi4も同じであります)、0x20を0x00で、0xe0を > 0xffで代用することになります。 i4では減色専用のパレットを特別に用意しなくともVGA16色のパレットで 十分です。最大値と最小値が入っていますからね。 > 僕としては、例えば8bitグラフィックボックスで白い背景に黒い文字 > を書いたものと、32bitグラフィックボックスで白い背景に黒い文字を書 > いたものの両方を1つの画面(8bitカラーモード)で見比べたときに、「 > あれ?32bitグラフィックボックスのほうが、背景は少し暗くて、文字は > ちょっと灰色っぽいなあ」と感じるのが、なんか嫌だったのです。そう それは出力振幅を小さくしたときに起こる問題です。だから、相対誤差を 小さく保ったままで出力振幅を大きくとれるi系の方が良いと思っています。 I.Tak. <g240845 !Atmark! mail.ecc.u-tokyo.ac.jp> http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~g240845/