[osask 6973] 2004年度前期の未踏の結果

  こんばんは、川合です。

  最近圧縮のことしか考えてなくて、他のことは何もかも後回しにして
いましたが、tek1/tek2の仕様も一段落したことですし、ここで一息入
れつつ、後回しにしてきたことを少しずつ片付けることにします。

  ・・・といっても、またすぐにtek1/tek2の展開ルーチンのASKA版の
開発をはじめなければいけないのですが(前の作りかけの状態からtek1
/tek2ともだいぶ進歩したので、じっくり見直しです)。ああそれとこ
れは主に僕が忘れないための予告ですが、bim2bin4iを今夜リリースし
ます。ブロックが1つのときのフォーマットは変わっていませんが、複
数のブロックがあるときのフォーマットを変えようと思っていたのをす
っかり忘れていて、急いでつけたものです。

---

  で、表題のIPAの未踏ですが、結論から言うと今回も不採択でした。
しかも今回はいろいろ考えさせられました。

  今回の応募内容は、KHBIOS、OSASKのサウンド対応、OSASKのネットワ
ークサポートでした。PMとして選んだのは伊知地先生でした。PMの選択
に当たっては、いろいろ考えた結果、OSとかが専門の先生じゃなくて、
なんでもありの先生をあえて選びたかったのです。OSが専門だと、やれ
近代のOSは、現代のOSは、などと現在の延長線上でしかOSを考えること
ができず、OSASKが入り込む余地はかなり少ないと考えたからでした。

  何はともあれ、まずは不採択の理由からです。

---

  提案の内容はOSASKの開発にとっては非常に重要で有意義なことだと
思います。しかし、OSの開発という観点から見たときには、未踏性を感
じることが出来ませんでした。OSASKだからこそ他のOSとここが違うと
いうような特異性、特徴があるものが望まれるのですが、その点は全く
ないと言えますので、不採択と判断します。

---

  なんと完璧な理由でしょうか。これを僕はこのように解釈しました。

「OSASKそのものに未踏性があるかどうかは審査基準にできない。年度
  単位での提案内容に未踏性があるかどうかだ」

  なるほどねえ、言われてみればそのとおりじゃないですか。ぶっちゃ
けた話、対象に未踏性がなくても内容に未踏性があればいいんでしょう
。Linuxに○○の機能をつける、Windowsに××の機能をつける、などで
も、もちろん内容に未踏性があればOKですから。

  そしてKHBIOSは未踏的であるとは思わなかったのでしょう、きっと。
まあそういう解釈はありえます。

  今のOSASKに求められていることは、どちらかといえば、さらにとん
がることではなく、普通のOSにできることをできるようにするというこ
とだと思います(その過程で戦略的に重要なことはあえて優先すること
もありますが)。そうだとすると、思うに、もうOSASKが採択されるこ
とはないんじゃないでしょうか。エミュレータを載せても、機能的な未
踏性はさほどないと思われると思いますし。そもそも未踏ユースでの採
択も、竹内先生だからこそ特別に許された気がします。

  採択の可能性があるとしたら、tek普及プロジェクトとか?・・・こ
れはつまり、WindowsやLinuxの主要アプリをtek圧縮対応させるプロジ
ェクトで、これができたらWindowsやLinuxでもbim2binなしで圧縮した
まま読み書きできますよ、とか(書き込んだら無圧縮に戻っちゃうけど
)。tekの仕組みはまだOSASKくらいでしか普及してないから、まあ未踏
性はあるかなと。

  まあtek普及プロジェクトは冗談ですが、なんかそんな感じの、OSASK
に直接関係しないところでしか、採択されることはないように思いまし
た。そして僕の場合、採択されることが目的ではなく、OSASKの開発を
することが目的なのですから、採択されるためにテーマを探すくらいな
ら、僕は他の方法で生活費を獲得する道を探すほうが健全でしょう。

  未踏準備はたいてい丸一ヶ月くらい開発がつぶれるので、そこまでや
るだけの可能性があるのかどうか、つまり後期も応募するべきなのかど
うか、考え中です。

  それでは。

--
    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
OSASK計画代表 / システム設計開発担当
E-mail:kawai !Atmark! osask.jp
Homepage http://osask.jp/

ML番号でジャンプ
ML単語検索