[OSASK 4023] BOARD: Re: (IPA) エミュレータ

このメールは、OSASK伝言板に書き込まれた内容です。
この書き込みに返事を書く場合は、下のURLから書き込みを行なって下さい
http://www.imasy.org/~mone/osask/index.cgi?REFER=3d318d88_a56f

2002/07/14 23:41
川合秀実

[OSASK 4021]へのレスです。

  なんだかIPAへの申請に関するご助言なのか、単なるOSASKそのものへのご質問
なのかよくわからなくなっていますが、一応お答えします。

>”エミュレータOSの本質は、互換性の維持をエミュレータに任せて、OS本体を理
>想的になるまで高効率化することです。”
>
>↑のようにエミュレータOSを定義するのであれば、ますますOSASKが理解できなく
>なってきました。極めて普通のOSとしか思えませんので。理由は以下に書きます。

  そこまでおっしゃるなら、極めて普通のOSなのでしょう。僕はgenyaさんの主
観には立ち入ることができません。

>むろんWindowsも高効率を求めて開発がつづけられているでしょうね。
>これはOSASKでも同じではないでしょうか。高効率化を目指さないOS設計者は
>いないと思いますよ。ただ、どういうケースで”高効率”なのかの定義が違う
>だけではないでしょうか、WindowsとOSASKでは。

  それは違うと思います。WindowsもLinuxもできることなら効率が高い方がいい
と思っているでしょうが、高効率化に本気で取り組んでいるとは思えません。だ
から、OSASKなんていう新興OSに脅(おびや)かされてしまうのです。

>簡単な話、Windowsはマルチプロセッサやクラスタなど、並列度を上げることで
>高効率化を目指しています。OSASKでは、Windowsのような高効率化を目指して
>いるのでしょうか?私にはわかりませんが、川合さんとしてはこれらの並列度
>を上げる努力は”高効率化”ではないのでしょうか?

  これらもちろん高効率化の大事な要素です。OSASKはまるでマルチプロセッサ
やクラスタが不得意であるかのようなおっしゃりようですが、その根拠は何でし
ょうか?もちろん、現時点でこれらに着手していないということは認めますが、
だからといってこれらについて劣るということにはなりません。OSASKが他のOS
で取り入れられている並列度向上に関するアルゴリズムが適用できない理由が何
かあるのでしょうか?

  僕は、OSASKがどの面においても効率で負けることを許しません。負けている
なら改良を続けるつもりです。もちろん、機能についても同様の立場をとってい
ますが。

>また”エミュレーション”は概念であってその実装はさまざまです。Windowsが過
>去との互換性をライブラリなどの形で実現しているのだと思いますが、それはある
>意味エミュレータですよね。
>では、Windows、Linuxなど汎用OSはエミュレータOSの定義に当てはまるのでは
>ないのでしょうか。

  エミュレータがあるかないか、がエミュレータOSではないのです。これが誤解
だと申し上げているのです。エミュレータを用意することで、互換性を理由に言
い訳をしないということが、エミュレータOSなのです。つまり、Windowsが問答
無用でどのOSよりも速ければ、エミュレータがあろうとなかろうと、本質的には
エミュレータOSと言えなくもありません。互換性の問題をOSから切り離せるかど
うかが第一のポイントです。互換性の問題をOS設計から切り捨てるためのエミュ
レータなのです。

  Windowsは従来との互換性を捨てて、最善の仕様を追い求めたのでしょうか?L
inuxはUNIXとの互換性を捨てて最善の仕様を追い求めたでしょうか?・・・いや
もちろんWindowsの仕様やLinixの仕様が最善への道だと立証できるなら互換性を
捨てる必要はありませんが、今のところOSASKのAPIに負けています。


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