こんにちは、川合です。 Matsuda さんは 2003/05/18 13:05:51 の「[OSASK 6165] Re: OSASKの 由来について、他」で書きました: >では質問を変えます。 > >その3者は、推進されると関係してそれまでになかったOSが出現する、という意味で >共通項があります。 > >共通していないのはどういう面でしょうか。 なるほど。つまり今話題になっている「OSASK」という固有名詞問題 とは全く別に、OSASKの特徴などを知りたいということですね。それな らそれで、最初にレスをつながなければ分かりやすいので、これからは そうしてください。 ここから先は僕の思い込みで書いています。違う部分もあると思うの で、あまり信用しないでください。 OSASK : 世界初のエミュレータOS TRON : 日本発で教育面にも配慮したOS(?) Linux : UNIXとコンパチのオープンソースOS LinuxがどういうOSを目指して作られているかといえば、それはやは りオープンであるということに尽きると思います。Linuxは僕から見る とそれほど新しい機能や設計を目指しているようには思えません。それ まで高価で入手困難だったUNIXを無料かつオープンソースで利用できる ようにしたというのが最大の功績です。 もちろん最近ではLinuxもUNIXを追いかける段階を卒業して、たくさ んの人が改造や機能アップを試みる最先端OSになっています。これは、 Linuxがオープンだからこそ可能になったことです。Linuxはこれからも ちゃくちゃくと進歩していくでしょう。 TRONは僕にはよくわかりません。まずTRONはいくつかのプロジェクト を除いてはオープンソースではありません。仕様は公開されていますが 仕様の公開などと言うのものは、今では珍しいことではありません。先 日のNHKの番組を見ていると、やたらと国産であることにこだわったよ うな印象がありますが、そうだとすれば他のリアルタイムOSと比べてど ういう特徴があるのか、ということになります。 しかしなんであれ、TRONは組み込み市場では大変な実績を持っており それはTRONが優れていることの証なんだろうと思います。 さてOSASKですが、OSASKはオープンソースOSであって、かつエミュレ ータOSでもあります。OSとしては、TRONよりもLinuxよりもずっと優れ たものにしたいと僕は思っています。しかし、今のOSASKはTRONやLinux とは異なり完成度が低いです。だから、本当に僕が思っているようにな るという保証は全くありません。 またOSASKには一貫してKL-01というライセンスが適用されており、こ れはLinuxのGPLよりもずっと気安く改造できるライセンスです。したが ってもしOSASKがLinuxに追いつけば、OSASKのほうがどんどん伸びてLin uxをぬき去るでしょう。しかしそもそも追いつけるかどうかは分かりま せん。 松田さんは僕の夢をうのみにしてはいけません。距離を置いて冷静に 見てください。今のOSASKにあるのは可能性だけで、可能性だけではビ ジネスにはなりませんし、商品にもなりませんし、社会も変えられない のです。・・・冷静に見たうえで、OSASKに期待をかけるというのはも ちろん歓迎です。 それでは(というか[OSASK 6166]へのレスに続く・・・)。 -- 川合 秀実(KAWAI Hidemi) OSASK計画代表 / システム設計開発担当 E-mail:kawai !Atmark! imasy.org Homepage http://www.imasy.org/~kawai/