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[OSASK 3215] Re: 川合の「ぼやき」2002/02/12号について



  こんにちは、川合です。


KOYANAGI, Masaaki さんは 2002/02/13 00:29:23 の「[OSASK 3211] 川
合の「ぼやき」2002/02/12号について」で書きました:

>ぼやきの2002/02/12号を読みました。
>感じたことを書いてみます。

  ありがとうございます。・・・ご質問はもっともだと思ったので、ペ
ージにも反映させています。

>>1.OSはもっとコンパクトにできる
>
>ハードウエアが多種多様になっている現在において「主要な」ドライバ
>(=ハードウエア)の定義が分かりません。
>
>OSを動かす ターゲットPC のデバイス構成が分かっていて OS の大きさに
>含めるドライバの大きさはそれだけを計算するのであればいいのですが、
>現在世の中に出てい主要なハードウエアのドライバ全てを入れるととても
> 1MB 以内には収まらないのではないでしょうか。

  前者です。つまり基本的にはインストールされているマシンにつなが
っているハードウェアのドライバーしかインストールしません。その容
量です。

  この「主要な」の意味は、マイナーなデバイス、たとえばDATテープ
用のドライバーとか、2Dディスク(2DDではなくて)のドライバーなど
までを考えると予想できないので、入れていない、という意味です。

  平たく言えば、インストーラーが1MB以内なのではなく、インストー
ル後のディスク消費量が1MB以内なのです。

>2001/02/04号で Windows の大きさを、
>・カーネル
>・ファイル操作
>・ユーザインタフェース
>・グラフィックス
>と定義していますが今回の 2002/02/12号 はそれを踏まえているので
>しょうか。

  はい。これに加えて最低限必要なフォントなども新たに含めています
。

>>OS本体+ドライバー+シェルで48KB、16dot日本語 フォントは150KBである。
>
>圧縮したサイズで言うのはフェアだとは思えません。HDDのような記憶媒体を
>占める大きさよりも実際にメモリに読み込まれて実行される時の大きさで
>考えるのが自然に感じるからです。

  このご意見は一理あります。僕自身も最初は迷いました。

  しかし本当の実行時のメモリ消費量ということになれば、コードより
もデータ部分が支配的になり、見積もるのが難しくなります。またOSAS
Kやその他のマイクロカーネルOSなどの場合、システムもページアウト
の対象となりうるため、展開後のサイズのメモリが必要というわけでも
ありません。

  また僕たちがOSのサイズだと感じるのは、一般にインストール後のハ
ードディスク消費量です。そしてWindowsなどが圧縮を掛けていないと
いうこともはっきりしていませんし、使い勝手をよくするために圧縮を
掛けるというのは、理にかなっていて評価に加えてもいいと考えていま
す。・・・だからむしろ、WindowsやLinuxも速度が落ちない範囲で圧縮
を掛けるべきだと思います。掛けない方が悪いと。

  ・・・どうでしょうか?

>>2.OSはエミュレーションをサポートすべきだ
>
>ハードウエア・アーキテクチャのエミュレーションと OS のエミュレーション
>はレイヤが違うので二つをはっきり分けて書くべきだと思います。

  とりあえず、僕としては次世代OSの方向性として広くエミュレーショ
ンの重要性を主張したいので、あれはあれでいいと思っています。

>どちらもサポートできたらいいなと私は少なくとも思います。

  僕もそう思っています。OSASKは僕の主張のためだけに存在している
わけではありません。OSASKはより大きな目標を持っています。あそこ
に書かれていることはOSASKの全てではありません。極一部です。

>>3.OSの設計(特にAPIの設計)をうまくやれば、アプリケーションの
>>肥大化は十分に回避できる
>
>言語によってもアプリのサイズは変わりそうです。C++ でクラスを使った
>GUIGUIアプリを書いて Visual C++ でコンパイルして linkset0 で bin
>ファイルを作った場合にどれくらい大きさは変わるでしょうか。

  あまり変わらないと思っています。

  test021.cppをご覧ください。helloc4.cをC++で書いてVCでコンパイ
ルし、obj2bim1などを使ってリンクしたものです。

    helloc4.bin : 692バイト
    test021.bin : 716バイト

  ・・・どうでしょうか?

  もちろん、アプリケーション側の最適化があまりにも悪ければ、いく
らでも大きくなることはあります。常識的な範囲で、という風にお考え
ください。

>>4.486クラスのCPUに8MBのメモリがあれば充分である
>
>この充分というのは GUI 操作にストレスを感じないというくらいの意味
>でしょうか。例えばLinux を CUI で使うならこれくらいで十分でした。

  はい。ですから、Linuxよりもほんの少し背伸びした主張なのです。

>>5.OSの起動時間は、5秒未満にできる
>
>B-right/V をハードディスクにインストールして起動すると 3秒くらい
>で立ち上がった記憶があります。EOTA も多分これに該当するでしょう。
>これが実現している OS は探せば結構あるのではないでしょうか。

  なるほど。EOTAは未完成なので何ともいえませんが、B-right/Vはい
い例なので挙げておくことにします。

>全体としては、詳細を省いてここまで断定して書いてあるのを見て、
>とてもはらはらするというのが私の正直なところです。

  このページだけは、他のページとは違って、OSASKから少し離れてい
ます(このページ内ではOSASKは単なる実例でしかありません)。それ
でむしろ挑戦的な文章にして、議論を集中させたいと思っています。

  しかし、詳細が不足していたというのは、主張として大減点です。直
します。


  それでは。

--
    川合 秀実(KAWAI Hidemi)
川合堂社長 / OSASK計画総指揮 / カーネル開発班
E-mail:kawai !Atmark! imasy.org
Homepage http://www.imasy.org/~kawai/