こんにちは、川合です。 松田新平 さんは 2003/11/23 00:39:40 の「[OSASK 6689] Re: go_0020 b.」で書きました: >> >実際に go をビルドして時間を測って比較してみれば、分かるのでは >> >ありませんか? >> うーん、どうでしょう。HDDアクセスのほうのアクセス誤差のほうが >> 支配的で、0.1%くらいの時間差は検出できない気がします。 >ごく近い将来、おそらくですが、HDDは物理ディスクではなくなります。 >10年前以上前からシリコンディスクというものがありました、釈迦に説法で >誠にすみません。 話が脱線しています。将来HDDが物理ディスクでなくなるかもしれな いことと本件の間には関係がありません。 今回の改良が、速度面においていかほどの効果があったのか、という ことを正確に「測定する」といいのではないか、というのが小柳さんの 主旨です。 それに対して僕は測定しても誤差に埋没するだろうから、やはり測定 はしない、という回答でした。 シリコンディスクのことはもちろん知っておりますが、今の僕が持っ ていない以上、今の僕に測定できないことに、なんら違いはありません 。 さらに僕はどれほど速くなったかということには関心がないので([O SASK 6685]で明言しています)、やっぱり測定する気はありません。知 りたい人にやってほしいです。 >> もし詳しく知りたい人がいましたら、リリース後にチェックしてみて >> ください。 >できません、、 なぜ?なぜできないのでしょうか??? >> とまでは思っていないのです。まあなんというか、GCCってだめじゃん >> といいたかっただけなので、どうやって改良するか、という点はあまり >> 心配しないでください。 >> >> 本気で改良を始めたら、OSASKの開発が止まってしまいます。 >あのう、GCCでGNU Cとかですかね? 昔、Cの処理系がロハで使える >といって大騒ぎになったことがあったと思いましたが、、 >それってだめなのですか? それは驚いた、、 そう、僕がここで言っているGCCというのは、GNUのCコンパイラのこ とです。もっと限定するとそのバージョン3.2のことを指しています。 無料で使えるというのはそのとおりです。しかし、無料であっても、 良いプログラムか悪いプログラムかの違いはあるわけです。 たとえばこんな価値基準はどうでしょうか。 ・1番いい :無料で、良いプログラム ・2番目 :無料で、悪いプログラム ・同じく2番目:有料で、良いプログラム ・4番目 :有料で、悪いプログラム もちろん、何をもってプログラムの良、悪を決めるかは、それぞれ人 がそれぞれの価値基準を持っているでしょう。僕の場合は、「必要な機 能が一通り揃った上で、サイズが小さくて、実行速度が速い」ことが良 いプログラムの条件です。 そして僕は[OSASK 6673]にて、GCCには無駄な部分がかなりあること を示しました。この無駄は本当になんの利益もない無駄で、削ったらコ ンパイル速度が落ちるとか、機能が減るとかそんなことは一切なく、む しろコンパイル速度があがるくらいだ、と指摘したわけです。 そしてその割合は、Cコンパイラ部分の36%にも及ぶと見積もったわ けです。つまり、僕の指摘した無駄をもし省けば、GCCは36%ほど小さ くなって速くなるのです。 なお、僕はGCCそのものは非常に有用だと思います。ただその機能が サイズに見合わないというだけのことです。 世間一般では、僕のような価値基準を採用しません。どんなにサイズ がでかくても、どんなに速度が遅くとも、機能がどれだけあるかだけを 見ています(この部分は、少し極論しています。しかし僕の基準から見 れば、こう断言しても問題ないといえるでしょう)。・・・その観点で は、GCCを悪いとする根拠はありません。 ああもちろん、GCCだって速度を速くしようという努力はしています 。コンパイル時間を測定するオプションがあるくらいですから(しかも コンパイルのどの処理内容がどのくらいの時間を要したのかまで調べら れるほどの充実ぶりです)。しかし、コードの約4割がただの無駄とい う結果に対して、「やる気がない」以外の、いかなる言い訳ができるで しょうか。「僕の基準では」こんなのは「だめ」なのです。 それでは。 -- 川合 秀実(KAWAI Hidemi) OSASK計画代表 / システム設計開発担当 E-mail:kawai !Atmark! imasy.org Homepage http://www.imasy.org/~kawai/