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3: 2006-06-28 (水) 21:11:21 ソース 4: 2006-06-28 (水) 21:56:36 ソース
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-2005.07.14  [[地震:http://k.osask.jp/wiki/?klog/essay103]](OSASKとほとんど関係なし) -2005.07.14  [[地震:http://k.osask.jp/wiki/?klog/essay103]](OSASKとほとんど関係なし)
-2005.07.17  [[コミュニティのマナー:http://k.osask.jp/wiki/?klog/essay104]] -2005.07.17  [[コミュニティのマナー:http://k.osask.jp/wiki/?klog/essay104]]
 +-2006.04.28  [[「30日でできる!OS自作入門」を書いた後で考えたこと:http://k.osask.jp/wiki/?klog/essay105]]
* 落書き * 落書き
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-*** 「30日でできる!OS自作入門」を書いた後で考えたこと 
--(2006.04.28) 
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--''チームでではなく自分で作る'' 
---本が出る前までは、傾向としては、OSを作るといえば「開発メンバーを募ってみんなで作る」型の割合が高くなっていました。もちろんいくつかのプロジェクトは以前から一人の開発者が黙々とがんばるというスタイルをとっていましたが、そういうプロジェクトよりも集団開発プロジェクトのほうが少し割合が高かったように感じていました。 
---本が出てからは、本を読み終えた人のうちの何人かがさっそくOSの開発に取り組んでいますが、その多くは個人による開発プロジェクトです。そのせいで、個人プロジェクトと集団プロジェクトの割合が変わってきたような感じを受けました。 
---今まで集団プロジェクトが多かったのは、LinuxやBSDやOSASKやMonaの影響なのか、それとも1人ではできないと思う人が多かったのか、まあその辺だと思います(単にみんなで作るほうが好きだということであれば、OSに限らず他のソフトウェア開発プロジェクトも集団でやられるようになるはずですが、集団プロジェクトの割合はOSではそれなりに高いけど、フリーソフト全体ではかなり低そうに思います)。 
---で、結局何がいいたいのかというと自分が書いた本のせいで、世の中に影響があるとなんだかうれしいんです(悪い影響ではなさそうですし)。OS開発が今までほどには特別視されなくなってきたんだと思っています。 
- 
--''アセンブラで終わりではなくなった'' 
---今までのOS開発プロジェクトのいくつかは、IPLから書き出してIPLから抜け出せずに終わるか、もしくはそこを乗り越えても、アセンブラからは抜け出せないパターンが多くあったように思います(ここで言っているのは、早くC言語などで開発したいと思っているのにできない、というタイプの話であって、アセンブラを好んで使っているタイプは除きます)。 
---OSを作りたいと思う動機はいろいろあると思いますが、その多くは「OSにこんな機能をつけたい」というものであって、「IPLを書いてみたい」、「アセンブラからC言語に移行する方法を勉強をしたい」ではないと思うのです。それなのに自分の目指すところまでたどり着けず、自分のアイデアを試す前に志半ばで挫折させられていたわけです。 
----だからIPLから作るなんてやめたほうがいいと以前から僕は言っていたのですが、この意見はほとんど受け入れられることはありませんでした。みんなIPLから作りたいみたいです。 
---本の読者はこういう挫折の割合が下がっていると思います。とりあえずIPLは「はりぼてOS」のものを流用したり、ちょっと書き換えた程度のものでいいと思ってくれて、自分の作りたいところから作っている割合が上がっているようです。これこそ本来の姿だと思うのでとてもうれしいです。IPLについてそれなりに理解ができているから、「後で作り直せばいいや」という気持ちになりやすいのかもしれません。 
- 
--''本の文章について'' 
---最初の頃は文章が軽すぎるという不満がかなりありましたが、今は逆に軽くて分かりやすい、という意見のほうが多くなってきました。僕が一生懸命に「文章が軽すぎるという不満が多いから、よく確認してから読みましょう」とあちこちで言ったのが効いて、不満を持ちそうな人は最初から読まなくなってくれたのかもしれません。だとすればとても喜ばしいです。 
---この本は中学生でも読めるようにという配慮をしてはいますが、万人受けを狙ってはいません。年齢の壁は越えようと思いましたが、その他の面においてはこの本が受け入れられるような人に受け入れられればそれでいいのです。それなのにこんなにたくさんの人に読まれたのは、とても意外でした。 
----この発想はOSASKそのものに強く通ずるところがあるかもしれません。つまり、えてして一般向けに作ったものは結局誰にも向かないものになってしまう危険がある。しかし特定の人に特化して作ったものは少なくともその人たちには受け入れられるし、もしかしたら他の人にとってもそれなりに得るところがあるかもしれない。・・・OSASKなんか基本的には僕専用なのに、こんなに注目してもらえていますからね。 
---ということで僕は、本の文章は実はそれほどには悪くなかったのではないか、少なくとも受け入れてくれる人がそれなりにたくさんいてくれたみたいだ、と思うようになっています。最初の頃に散々に言われていた頃ほどには萎縮していません。この文章がむしろ歓迎される需要があって、僕はその人にむけて書いたのだから、他に人にとやかく言われる筋合いはないのです(まあ本当はより多くの人にむけて書きたかったけど、それは僕のスキルの限界なのです)。 
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--''お客様気分のOSASKへの要望はもうやめましょう'' 
---この本の執筆はOSASKの前進に寄与していないと思っている人がいるようですが、それはとんでもない間違いです。もちろん直接にはOSASKのコードは1バイトも改善されていませんが、全体としてみればその影響はかなり大きいと僕は見ています。 
---今までOSASKはアセンブラ中心だからダメだみたいな意見がありました(最初からアセンブラ化とか性能にこだわるんじゃなくて、まずは機能重視でCやC++で書くべきだよ、的な意見も含みます)。さらに、OSASKのソースは読みにくくて意味が分からないから開発者が集まらないんだとか、そんな意見もあったように思います。OSASKのAPIが気にいらないとかそんなこと言いまくっている人もいたと思います。 
---そういうことを言っていた人たちは、本書を読んで「はりぼてOS」をベースにやってください。確かに「はりぼてOS」はOSASKに見劣りする部分が多々あるでしょう。しかしそれが一体なんだというのでしょうか。あなたたちが今まで主張してきた勢いからすれば、ソースがC言語中心になってソースが読みやすくなってドキュメントまでつけば、開発者はどんどん集まって開発速度は劇的に改善するはずではなかったのですか。それなら今の(停滞気味の)OSASKを追い抜くなんてことは、問題にならないはずです。まさかあの本を読んでもソースが全く理解できないなんておっしゃるつもりでしょうか(もちろん本書だけではなくほかの本も読みたければ読んでもいいですよ、開発のためには)。あれ以上のドキュメントは僕にはかけないので、そんな人は申し訳ありませんが僕にはどうしようもありません。お手上げです。 
---僕は1年後が楽しみです。1年経っても改造版「はりぼてOS」がOSASKに追いつく気配すらないようなら、今まであれこれ批判してきた人たちは正しくなかったということになるでしょう。クチだけ番長は僕ではなく、批判していたみなさんのほうということになります。 
---ということで今後はOSASKを改造したい、開発を手伝いたいというすべての人に「はりぼてOS」をおすすめします。今のOSASKのソース状況に少しでも不満のある人は、「はりぼてOS」を生まれ変わったOSASKだと思って、僕の作る本家のOSASKとは無関係にがんばってください。 
---ネットワーク機能がほしいとか、ファイルシステムをまともにしてくれとか、デバイスドライバの仕様を決めてくれとか、うちのマシンではOSASKがうまく起動しないぞどうしてくれるとか、まあいろいろありましたが、とりあえずそういうのも全部しばらくは無視することにします。自分で作ったり直したりする根性がない人にあれこれ言われるのには少々飽きてきたんです。僕は僕のために作るという前提が揺らぎます。 
---これからはそういう人もOSASKを自分で直すか、それがよくわからなければ「はりぼてOS」から出発しましょう。今までは急に自分でやれと突き放されてもどうすればいいかわからないよ、という意見のために僕はあまり強気にはなれなかったのですが、今はもうその言い訳は通じません。図書館に行って本を借りて、たった30日間(1日分が2~4時間なので合計60~120時間程度)がんばれば、それなりにスキルは身につくのです。そのがんばりすらできないということであれば、その程度の要望だということですから、当面はガマンしていただくか、もしくは他のできる人に頼んでみたらどうでしょうか。 
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--''コミュニティを受け入れやすくすると結局損をするのかもしれない'' 
---僕がこんなきついことを言うようになった背景には、OSASKコミュニティが変わってきたなと感じたことも一つの理由です。かつてOSASK開発への敷居が非常に高くてアプリ一つ作るだけでも大変だった頃は、OSASKの理念はよく浸透していました。適当ではない要望があれば僕以外の人でも「それはOSASKの理念に合ってないのではないか」とレスしてくれたものです。全体として、みんな真剣だったように感じられました。多少の例外はありましたが、コミュニティの各メンバはみんなほかのメンバに敬意をもって接していたように思います。 
---徐々にOSASKで遊ぶための敷居が下がるにつれて、無責任で真剣ではないいい加減なことを言う人の割合が上昇してきたように思います。そういう人がちょっといるだけならいいんです。それはむしろスパイスのような役目を果たして、コミュニティにプラスの効果をもたらすからです。しかしそういう人の割合が増えすぎると、ただの「お客様」集団になり、理念はないがしろにされ、自分の希望は大衆の希望を代表しているんだとかいう理由が主張の根拠になり得ると思うような、そんな風潮が濃くなってきたように思います。OSASKにとって大衆なんかどうでもいいんですよ。敷居を下げることが、大衆への迎合路線をとったように思えたのでしょうか。 
---もちろん最近でも初期メンバに勝るとも劣らない情熱を持つ人がきてくれたことだってありました。それは大変にうれしいですし、敷居を下げたおかげかもしれません。でもそれ以上に弊害が僕には気になるのです。今では開発コストよりもコミュニティをゆるやかに運営していくためのコストのほうが格段に上で(ここでいうコストというのはお金ではなく時間です)、開発を助けるためのコミュニティとはいえないかも知れない状況になっています。時間がかかっているのは僕がコミュニティの人たちにメールやブログへのコメントなどでメッセージを書いているせいだというだけではなく、いろいろ問題発言があったときに心を悩ますそのダメージも大きいのです。 
---かつて僕に「2chに関わるのはやめなさい」とアドバイスしてくれた人がいました。あんなものと関わったら消耗してしまうよ、Kにはそんなふうになってほしくないよ、という趣旨でした。しかし今までのところ、2chで散々に言われて熱くなったことはありますし(笑)、笑いが止まらなかったこともありましたが、慢性的に心痛を覚えるとか、悩まされるということはありませんでした。・・・だけど最近のOSASKコミュニティのみなさんとの関わりは非常に消耗させられます。適当な気持ちで適当なことを言われて、僕はそれに振り回されているように感じられてなりません。 
---こんなことをここに書いていますが、これを読んで不安になった人がいるかもしれません。ひょっとして自分はKの負担になっていたかもしれないと心配になるような心やさしい人は、きっと僕にとっては元からプラスの人です。私のことですか?なんて聞かれたら、こっそり答えるべきなのかそれともみんな共通に回答を断るべきなのかで悩まされるだけなので、どうかそんなことはしないでください。僕は特定の個人攻撃のためにこんなことを書いているのではなくて、そういう風潮を修正するために書いているのですから。 
---ここ何日かは、OSASKコミュニティのwebやメールのすべてを見ないようにしまったほうが現状よりもいいのかどうかをかなり真剣に考えました(見てももう知らないと決め込む)。今の結論としては、とりあえずこの文章をWikiに書いて様子を見て、それからどうするかを考えようと思っています。 
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-//なぜ性善説的運用をしてきたのか。 
-//言論の自由、情熱。 
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