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  • なんでこんなページがOSASK-Wikiにあるの?
    • OSASK計画は未踏に合計3度応募して全て落ち、未踏ユースに1度応募して1度採択されました(2002年度)。だからOSASKは未踏とはちっとも無縁ではありません。ということで、OSASK-Wikiにこんなページがあっても問題ないんじゃないかと。
    • OSASKコミュニティ(含「はりぼてOS」コミュニティ)には未踏ユース適齢期の人が少なくないのに、未踏ユースについて知らない人がいて、それは当人にとってもIPAにとっても不幸なことなので、知る機会を設けようと思いました。
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  • Q:未踏・未踏ユースってなんですか?
    • A:ウイルス情報の統計などでおなじみのIPAが2000年からやっている事業で、要するに日本のIT技術者を育成するために(初期の頃は産業を活性化するために)個人のソフトウェア開発に対して、その開発費用を援助するという制度です(ユースは2002年から)。費用以外にもいろいろ援助してくれます。
  • Q:未踏と未踏ユースの違いはなんですか?
    • A:未踏ユースには予算上限300万円というのがあります。未踏はそれよりも大きな金額の予算であっても必要なら認められます。ユースというのは、ハイレベルな提案の多い普通の未踏にいきなり挑戦するのは若い人があまりにかわいそうだということで、未踏の予備校みたいな感じで創設されたものです。ユースには年齢制限もあります。これらの制限のおかげで大きなプロジェクトや若くない実力者はみんな普通の未踏へ行くので、ユースでは競争のレベルが下がり、同じ内容でも採択されやすい傾向があると思います。
    • A:なお、一度でもユースではない普通の未踏に採択されると、既に十分な実力があると見なされて、ユースに応募する資格を失います。また、ユースで一度でも採択された人は、もう二度とユースに応募することはできません。次はユースではない方に挑戦してください、というIPAの意志です。
  • Q:採択期間中に作ったものはIPAのものになってしまいますか?
    • A:いいえ。テーマ提案で触れていないものはもちろんですが、テーマ提案で書いたソフトウェアでさえも、完全にあなたのものです。将来有償で販売することになったとしても、分け前をよこせといわれることは全くありません。ライセンスについて文句を言ってくることもありません。本当にお金だけ出して、それ以外は文句を言わない非常に都合のいい存在だと思っていれば、たぶん間違いないです。
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  • Q:どんなふうにこの制度を利用したらいいですか?
    • A:こう考えればいいと思います。あなたが何かソフトウェアを開発したいと思っているとします。そうしたら、そのプログラムを作るのに一体どれだけの費用がかかるか計算してください(後述)。そしてそれをテーマ提案書の形にまとめて応募してみてください。・・・そうすれば、それが採択に値するプロジェクトかどうか向こう(要するにIPA側)が判断してくれます。ダメならダメでいいじゃないですか。応募するというのはそれだけでいい経験ですし、失うものは申請に必要な手続きの手間だけです。そもそも応募したということさえ、勝手に公開されることはありません(採択された場合は公開されます)。だから自分から言わない限り恥をかくということもないのです(そもそも不採択が恥ずかしいことだなんて僕は思いませんけどね・・・何もしないほうがもっと恥ずかしいことだと思いませんか?)。
    • A:どんなソフトウェアを作るつもりにせよ、それは採択されてもされなくてもどちらにしろ作りたいからあなたは作るのです。それなのに採択されれば、好きなソフトを開発しているだけなのに、おまけでなんと(結構高額な)お金までもらえるわけです。とてもいいと思いませんか?それがいいプログラムであってもなくても、とにかくIPAはそれが気にいってお金まで出すと言っているんです。だからもらえばいいんです。あなたがもし遠慮して応募しなければ、他の(たぶんあなたの提案よりも劣った)テーマが採択されるだけです。そんなのっていいことだと思いますか?だから面倒じゃないなら是非応募してください。そして採択されたら遠慮なく受け取ってください。それで十分です(と僕は思っています)。
  • Q:どうやって予算を決めたらいいでしょうか?
    • A:まずそのプログラムを作るためにどれだけの時間をかけるつもりなのかを考えてください。たとえば毎日2時間、土日はどちらか一方だけ10時間がんばるということにしましょう。つまり週に2x6+10=22時間ということです。これでもし採択期間6ヶ月なら合計572時間です。未踏や未踏ユースに採択されるほどの実力者なら、時給2000円とか言ってもそんなに生意気ではないでしょう(というか仮に生意気だと思われたとしても問題ないです・・・後述)。ということで、自分への人件費114.4万円ということができます。さらにプロジェクト管理組織に60万円くらい払う必要がありますのでこれを足します(ユースの場合)。また、予期しない出費への予備費として30万円くらいを予算として準備しておくのは悪くはないでしょう。合計で200万円くらいにはなります。もしPCなどを買う必要があれば、それも費用として予算に入れられます。もし夏休みなどにもっとがんばる予定があれば人件費はもっと多く見積もっておくべきですし、時給は3000円でもいいかもしれません。その辺はよく分かりません。適当に決めちゃえばいいと思います。
    • A:というのは、仮に予算請求額がめちゃくちゃでおかしくても、それは採択か不採択かにはあまり関係ないのです。おかしければ、採択直前に、これは○○円くらいでできると思うんだけど、減額しませんか?と打診があるはずです。それで再検討して必要なら修正すればいいのです。それに結局予算を全部使わないでも完成してしまったら、それはそれでいいのです。使わなかった分は受け取らないだけです(受け取れないだけです)。予算というのはそういうものですから。しかしもしたとえば予算100万円だったけど、実際にやってみたら120万円かかってしまった(=それくらい開発時間がかかったとか)とかでも、予算以上には請求できないのです。だからちょっと生意気だと思っても、予算は多めに計算しておくべきだと僕は思います。
    • A:予算の請求がいい加減でも初期の採択不採択の判定に影響しないのは、たぶんIPAが応募者にそんなことで悩んで時間を無駄にしてほしくないからなんだと思います。だって僕たちは自分の能力が時給でどのくらいかなんて正確にはかる方法を知らないほうが普通だと思います。それで妥当で正確な見積もりなんかできるわけないんです。そんなことで優劣をつけるつもりはないんです(見積もり能力コンテストじゃないんですから)。そういうことなんだと思います。
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  • Q:どんなテーマが採択されますか?
    • A:簡単にはいえませんが、それが自分ひとりにしか役立たないとか、もしくはごく一部の人にしか役立たないと思われたら、たぶん採択されません。しかし例外として、PMの先生の趣味にマッチして「なるほどこれは面白そうだ」と思ってもらえたら、採択されるかもしれません。プログラムが高度かどうかというのはあまり関係ないような気がします。それよりは、開発の動機とか作るものの必要性とかのほうが重視されている気がします。
    • A:一番いいのは未踏や未踏ユースの成果報告会に参加してみることです(誰でも無料で参加できます)。でも首都圏へ出てくるのが容易ではない人もいると思うので、僕がここでいくつか今月発表されたものを紹介してみようと思います。

    • 1.Webアプリケーション・セキュリティの自動検証フレームワーク [未踏ユース・大学院生]
    • 失礼なくらいに要約:webアプリを作ってもセキュリティホールがあったら個人情報とかが流出して大変。それで今回、今までのセキュリティーホール自動検出ソフトよりもずっと短時間でしかも見逃しの少ない自動検出ソフトのアルゴリズムを思いついた。それは○○で××だ。これを作りたい。

    • 2.インタラクティブUIを備えた統合型設計解析ソフトウェアの開発 [未踏ユース・大学院生]
    • 失礼なくらいに要約:自分は学校でクラブを作って鳥人間コンテストに毎年参加してきた。人力飛行機を作るのはとても難しい。というのは、人力飛行機は自重でゆがむのだが、そのゆがみ終わった形が飛行機としての理想形になっていなければいけない。ゆがんだ後にその形になるにはフレームをどのように設計しなければいけないのか。またその飛行機を作って飛ばしたときに、どこに力が集中しやすいのか(=どこが壊れやすいのか)。予算に余裕があるチームは人数もたくさんいるし時間もたくさん取れるし模型を作って実験したりできるかもしれないが、自分たちのような低予算チームではそんな余裕は全くない(たぶんアルバイトとかで材料費を稼がないといけないということもあるんだと思う)。
    • だからゆがむ前の形をマウスで適当に描くだけで、ゆがんだ後の状態が瞬時に計算され、さらにはどこにどのくらい力がかかることになるのか色で表示されるようなソフトを作りたい。風が当たったときにどうなるかも分かるようにしたい。またゆがむ前の形をちょっと変えたら、結果がどのように変化するのかも同時に更新されるようにしたい。従来のソフトでは同じようなことをしようと思ったら面倒な操作をして何分・何時間もかかった。とてもじゃないけどいろいろ検討する気にはなれない。自分は画面の左側の図をいじれば右側にすぐに反映されるようなものを作りたい(最終的には0.1秒もかかってない感じだった)。このためには高速化が必要だけどアイデアは○○だ。これだと××だからうまくできるはずだ。できれば他の設計者にも自由に使ってもらいたいし、もしかしたら構造設計の勉強にもなるかもしれない。だからオープンソースにしたい。

    • 3.GPUを用いた映像のリアルタイム手ぶれ補正ソフトウェアの開発 [未踏ユース・大学院生]
    • 失礼なくらいに要約:最近は手ぶれ補正機能付きのビデオカメラがあるが、安価で軽量なwebカメラにはない。それにゆれているのがカメラではなく被写体のほうだとしたら、当然ながら補正ができない。でも実はぶれ画像を入力するだけでぶれのない画像を計算で生成する方法が(=アルゴリズムが)ある(既にあったのではなく提案者が思いついたのかもしれない)。しかもそれはGPUを使えばリアルタイム生成できるくらいに高速化も可能だ。それを実装したい。

    • 書いているときりがないので、まあこのへんで。
    • でも未踏ユースでは提案者の年齢にも配慮してもらえるらしいので、大学生だったり、高校生だったりすれば、これほど内容が高度ではなくても採択される可能性が十分にあると僕は思っています。
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こめんと欄(ほかに聞いてみたいことがあればなんなりと)

  • 個人的に聞きたい人はメールで。 -- K 2009-02-22 (日) 11:02:30

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